ごあいさつに代えて、
「森と人をつなぐ」
森ライの、
これまでとこれから

森のライフスタイル研究所(以下森ライ)は、2003年に任意団体としてスタートし、2005年にNPO法人化しました。
専門的なバックグラウンドを持たずに始めた活動の中で、この分野には、森林インストラクターをはじめとする、知識も資格も持つ人たちがたくさんいると知りました。「森に興味を持つ人」に範囲を広げれば、さらに多くの人がいます。一方で、経済性や担い手の不足を理由に、必要な整備ができていない森、とりわけ人工林が日本中に溢れています。森と人とのより良い関係性によって、解決できないでしょうか。「森と人をつなぐ」をミッションに、機会づくりをしていきたいというのは、森ライ設立以来、変わらない思いです。

大企業の「CSR活動」の黎明期だった当時、実績もない森ライは、どこの企業にとっても門前払いの対象でした。個人にアプローチするしかないと、表参道でイベントをしたり、アパレルとコラボしたりしました。そうした、親和性の高そうなところから小さく動き始めた活動を通して、みんな、森に興味がないわけではなく、きっかけさえあれば関わりを持ちたいのだと実感できました。
最初に得られた大きな助成は国土緑化推進機構による「緑の募金」です。それを原資に、都会の参加者による森林整備のバスツアーを始めたのは2009年。若者を中心にしたこの活動はメディアに取り上げられ、一躍人気のアクティビティとなりました。日本郵政などからの助成による団体の信頼性の向上や、バスツアーの個々の参加者による勤務先への紹介もあって、翌年以降、企業パートナーが少しずつ増えていきました。
東日本大震災の復興支援では、東北に行き続けることまではむずかしい、首都圏の企業からのボランティアさんらと、やはり津波で甚大な被害を受けた、千葉県九十九里浜の海岸林再生に取り組みました。植えた苗木の成長に合わせて、この活動は現在も継続しています。
2015年くらいからは、異なる分野のNPOなどと協働する機会が増えました。子どもたちの体験の格差を減らそうと、遠出のハードルが高くなりがちなシングルマザーの家庭を中心に、森をフィールドにしたアウトドア活動を実施したり、里山保全の一環で耕した畑の収穫物をフードバンクに寄付したり、活動の幅を広げていきました。
自ら動き活動してきたことで、森林の研究者やインストラクター、各地の森林組合や林業家、多様な企業やNPOとのつながりができました。このことが、コロナ禍を経た現在、地方の森林から都市公園、社内の会議室まで、場所を選ばず参加できるボランティア活動を提案するなど、企業のニーズに応じたカスタマイズやマッチングに活き、近年は事業収入で団体経営を成り立たせる目処がつくまでになりました。

森の“ライフスタイル”研究所として20年以上活動してきた経験からいま思うのは、「地球環境問題」「日本の森林問題」は自分ごととして捉えづらくても、朝起きて空気も水も摂取しない人はいないということ。それらが何によって生み出され、どこから来ているのか、毎朝ちょっとだけ意識してみることが、森とつながるライフスタイルのスタート地点であり原点なのだと思います。そこから行動が変われば、それぞれのライフスタイルに、きっとさらなる豊かさがもたらされるはずです。

この20年で、森林保全に取り組む団体は5倍以上になり、3,000ほどに上ると言われています。森ライでは今後、地方の、地域をよく知るパートナーとの連携により各地でローカライズされた活動を展開させ、「日本の森が良くなった」という実感が持てるところまで貢献したいと思っています。ひいては森に出かけることが国民的習慣になるような文化を醸成していきたい。スケールが大きく、やりがいのある仕事です。実現できるよう、共に夢中になれる、特に若い力を育てることにも力を注ぎたいです。森ライらしく、楽しんでやってまいりましょう。

2024年10月

代表理事所長 兼 遊撃隊長

竹垣 英信

森ライの3つのチカラ

名称
特定非営利活動法人 森のライフスタイル研究所
代表者
代表理事所長 竹垣 英信
定款
ダウンロードする
収支報告
住所
〒151-0063
東京都渋谷区富ヶ谷1-43-23 代々木公園ガーデニア6階
アクセスマップはこちら
TEL:03-6457-5345
FAX:なし
電子メール
info@moridukuri.or.jp

森ライ白書

母と子の野外活動
2015年度報告書

RING!RING!
プロジェクト
平成28年度報告書