みんなで稲刈り。40年ぶりのお米収穫大作戦!
- 活動日
- 2017年10月9日(月)
- 活動場所
- 東京都八王子市上川の里 特別緑地保全地区
活動レポート
40年間放置されて
荒放題だった土地を耕し苗を植え、
「収穫の秋」に、いよいよ稲刈り!
森ライ八王子プロジェクト
10月というのに猛烈に暑くなった体育の日。向かった先は東京都八王子市の西北部、上川町にある「上川の里特別緑地保全地区」です。ここはもともと、40年ほど前には山に向かって数十枚の棚田を有する肥沃な土地でしたが、バブルの時期に民間業者の手に渡ったもののバブルは崩壊。以後しばらく放置されていましたが、にわかに持ち上がった産業廃棄物処理場の建設計画に地域住民が猛反対。この住民の声に応える形で、国・東京都・八王子市が3分の1ずつ出資し、元の里山風景を取り戻して保全する地区として2011年、「特別緑地保全地区」に都市計画決定された土地です。そして森ライでは、この地での活動を「里山あそびと田んぼ復活大作戦」と命名し、現在この地を管理しながらNPO法人化を進める地元町内会の方々の協力のもと、新しい八王子でのプロジェクトをスタートさせました。
上川の里、田んぼ復活大計画
森ライがこの地で手始めに行っているのが、耕作が放棄された棚田を少しでも回復させようと、苗を植えて稲を収穫する「田んぼ復活計画」です。地元からは、かつて稲作を行っていたベテラン勢にアドバイスを受けたり、保育園の年長さんや小学校の生徒さんたちの手を借りたり、一般からも募集しながら、すでに今年3月に開墾。5月の終わりから6月の中旬にかけて田植え、それ以降9月にかけては地元の方と有志とで草むしりを行い、ようやく10月のこの日、収穫の日を迎えました。
刈って、束ねて、縛って、吊るす
本来であれば、収穫を迎える前に田んぼの水をすべて落とすのが普通なのですが、初の稲作体験となった今回、上手く水が抜けず、足がずぶずぶと潜っていくほど水が残ったままでの稲刈りになってしまいました。この教訓はぜひ次回に活かしたいところですが、そんな悪条件にもめげず、参加者の皆さんは長靴を履いた足ごと田んぼから抜けなくなって尻餅をついても大笑いしながら、泥だらけになって苗を刈っていきました。稲刈りは、根元から約30センチほど上を手で掴み、その下の根元から10センチほど上の部分を鎌で刈り取っていく作業です。そして刈り取った稲は、ひと握りほどの太さで束ね、それを2つ交差して縛り、稲穂を下にして吊るし干しをする「ハザ掛け」をしてこの日の田んぼでの作業は終了です。
今後、稲は精米し、試食会を実施予定
ハザ掛けをするのは、乾燥させることで今後の作業をやりやすくするという意味とともに、稲穂を下に向けておくことで、残っている養分を稲穂=米に集める意味もあります。そしてこのハザ掛けを2週間ほど行ったら、脱穀し、唐箕で籾殻を飛ばし、さらに精米機にかけて白米の完成となります。完成したお米は、11月12日(日)におにぎりに仕立て、試食会を行いたいと思いますので、作業をお手伝いいただいた方は、ぜひご期待ください。
稲刈り終了後は、一眼レフカメラを持って撮影会
稲刈りを終えた後は、お弁当で空腹を満たし、ひと休みしてからはキヤノンマーケティングさんにご用意いただいた一眼レフカメラを持って、今まで身体を動かしていた田んぼの周辺に被写体を探しながらの撮影会です。田んぼ周辺では、稲刈りに集中していたときには気づきにくかったトンボやクモなどの昆虫たちに超アップで迫ったり、家族の表情を追ってみたり、思い思いの写真を撮り、その場でプリントして持ち帰り、この日のメニューはすべて終了です。
Voice
─参加者の声─
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永野さん親子
「ツリークライミングをやったり、千葉の海岸林再生活動に参加したり、草刈りをやったり、森ライのイベントはもう5回目くらいでしょうか。稲刈りは生まれて初めてです。稲が実っているこの景色がいいですよね。でも、機械でやれば簡単な作業を手でやるのは大変で、思いっきり腰にきました(笑)。森ライのイベントは、なかなか来られない自然と触れ合えるところが魅力ですよね」