みんなで稲刈り。40年ぶりのお米収穫大作戦！

2018/5/21 Updated

みんなで稲刈り。40年ぶりのお米収穫大作戦！

活動日: 2017年10月9日（月）

活動場所: 東京都八王子市上川の里特別緑地保全地区

活動レポート

40年間放置されて
荒放題だった土地を耕し苗を植え、
「収穫の秋」に、いよいよ稲刈り！

10月7日（土）の開催予定が、雨のため翌々日の9日開催に変更になったこの活動。一気に晴天に恵まれ、最高気温も26度を超えるくらいに暑くなったなか、実った稲を収穫するため、鎌を振り、稲を束ね、たっぷり汗をかいてきました！　そして稲刈りの後は、ご支援いただいたキヤノンマーケティングジャパンさんの指導のもと一眼レフカメラの体験会を行い、初秋の一日は暮れていくのでした。

森ライ八王子プロジェクト

豊かな自然を満喫できるハイキングコースもお奨めの上川の里

10月というのに猛烈に暑くなった体育の日。向かった先は東京都八王子市の西北部、上川町にある「上川の里特別緑地保全地区」です。ここはもともと、40年ほど前には山に向かって数十枚の棚田を有する肥沃な土地でしたが、バブルの時期に民間業者の手に渡ったもののバブルは崩壊。以後しばらく放置されていましたが、にわかに持ち上がった産業廃棄物処理場の建設計画に地域住民が猛反対。この住民の声に応える形で、国・東京都・八王子市が３分の１ずつ出資し、元の里山風景を取り戻して保全する地区として2011年、「特別緑地保全地区」に都市計画決定された土地です。そして森ライでは、この地での活動を「里山あそびと田んぼ復活大作戦」と命名し、現在この地を管理しながらNPO法人化を進める地元町内会の方々の協力のもと、新しい八王子でのプロジェクトをスタートさせました。

上川の里、田んぼ復活大計画

今回開墾して苗を植えた約0.1haの田んぼ

森ライがこの地で手始めに行っているのが、耕作が放棄された棚田を少しでも回復させようと、苗を植えて稲を収穫する「田んぼ復活計画」です。地元からは、かつて稲作を行っていたベテラン勢にアドバイスを受けたり、保育園の年長さんや小学校の生徒さんたちの手を借りたり、一般からも募集しながら、すでに今年３月に開墾。５月の終わりから６月の中旬にかけて田植え、それ以降９月にかけては地元の方と有志とで草むしりを行い、ようやく10月のこの日、収穫の日を迎えました。

刈って、束ねて、縛って、吊るす

田んぼはご覧の通りのぬかるみ。移動が大変なぶん、体力が物をいう重労働なり

本来であれば、収穫を迎える前に田んぼの水をすべて落とすのが普通なのですが、初の稲作体験となった今回、上手く水が抜けず、足がずぶずぶと潜っていくほど水が残ったままでの稲刈りになってしまいました。この教訓はぜひ次回に活かしたいところですが、そんな悪条件にもめげず、参加者の皆さんは長靴を履いた足ごと田んぼから抜けなくなって尻餅をついても大笑いしながら、泥だらけになって苗を刈っていきました。稲刈りは、根元から約30センチほど上を手で掴み、その下の根元から10センチほど上の部分を鎌で刈り取っていく作業です。そして刈り取った稲は、ひと握りほどの太さで束ね、それを２つ交差して縛り、稲穂を下にして吊るし干しをする「ハザ掛け」をしてこの日の田んぼでの作業は終了です。

今後、稲は精米し、試食会を実施予定

刈り取った稲は逆V字に束ねてハザ掛けしていきました

ハザ掛けをするのは、乾燥させることで今後の作業をやりやすくするという意味とともに、稲穂を下に向けておくことで、残っている養分を稲穂＝米に集める意味もあります。そしてこのハザ掛けを２週間ほど行ったら、脱穀し、唐箕で籾殻を飛ばし、さらに精米機にかけて白米の完成となります。完成したお米は、11月12日（日）におにぎりに仕立て、試食会を行いたいと思いますので、作業をお手伝いいただいた方は、ぜひご期待ください。

稲刈り終了後は、一眼レフカメラを持って撮影会

参加者全員、一眼レフカメラを手に撮影会

稲刈りを終えた後は、お弁当で空腹を満たし、ひと休みしてからはキヤノンマーケティングさんにご用意いただいた一眼レフカメラを持って、今まで身体を動かしていた田んぼの周辺に被写体を探しながらの撮影会です。田んぼ周辺では、稲刈りに集中していたときには気づきにくかったトンボやクモなどの昆虫たちに超アップで迫ったり、家族の表情を追ってみたり、思い思いの写真を撮り、その場でプリントして持ち帰り、この日のメニューはすべて終了です。

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作業前に全員集合「頑張るぞ〜」。
横一列になって作業開始！
尻餅をついたって、笑顔！
ひと束切っては、田んぼの外に稲運び。
ハザ掛けがどんどん増えていくとともに達成感も増していくのです。
小さいお子さんたちも立派な戦力。
カカシの後ろの１区画はすっかり刈り取られました。
パパを被写体に撮影会。
枝先に止まった赤とんぼも格好の被写体。
「こんなの撮れたよ」
田んぼ周辺ではたくさんの昆虫と出会えました。

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Voice

─参加者の声─

永野さん親子
「ツリークライミングをやったり、千葉の海岸林再生活動に参加したり、草刈りをやったり、森ライのイベントはもう５回目くらいでしょうか。稲刈りは生まれて初めてです。稲が実っているこの景色がいいですよね。でも、機械でやれば簡単な作業を手でやるのは大変で、思いっきり腰にきました（笑）。森ライのイベントは、なかなか来られない自然と触れ合えるところが魅力ですよね」
C.H.さん親子
「娘がここで６月にやった田植えを経験したので、どんな感じで稲ができたか確認したかったのと、娘から聞いた話が楽しそうだったので今回は一緒に参加しました。私は田んぼで思いっきり転んでずぶ濡れになってしまいましたが、途中からもうどうでもいいという気になって、天気も良かったので気持ちよかったくらいです（笑）。家族が植えた稲を収穫するというのも、いいものですね。これからお米を食べるときの意識が少し変わるような気がします」
A.A.さん親子
「森ライの活動には、３年前くらい前からもう10回くらい参加しています。住んでいるのが都心なので、こうして自然に触れるのはストレス解消になっていいですよね。稲刈りは、私は小さい頃に愛媛の小学校でやったことがあります。泥の感触だとか、草を刈るとか、稲がどうやってできるか、そしてそれを食べるという食育ですよね。それを子どもに感じてほしいと思います。もともと自分も自然に触れ合って育ったということもあって、娘にもそれを経験させたいという想いがあるのだと思います」
TΛXIさん
「自然が好きで、初参加です。いやあ、楽しいですね。童心に返るというか、最高ですね。普段デスクワークなので、やっぱり外に出て、太陽の光を浴びなきゃいけませんよね。デスクワークの人は、みんなたまにはこういう体験をするべきだと思いますね。僕は今、町田に古い一軒家を借りていて、夏にはゴーヤとかトマトとかキュウリとか簡単な畑とかもやりましたが、稲刈りは初めてです。子どもが産まれたばかりなんですが、もう少し子どもが大きくなったら、ぜひまた一緒に連れてきたいと思います」
越智浩一さん
森ライではこれまで何度も写真撮影をお願いしてきた越智さんが、今回は自ら一般参加。参加者目線で森ライの活動について語ってくれました。「参加者としてやってみると、カメラマンとしてやっているときの皆さんの楽しそうな感じを実感できるのが面白いですね。カメラマンとして来ているときと全然見える物が違いますから。大学時代は都市緑化のことなどを勉強していました。座学だけではなく、実際にフィールドに出なければわからないということから、山登りをやるようになり、だんだん自然が好きになっていきました。国土の７割が森という日本では、誰かがその森を整備して守っていかなければいけないので、森ライのような組織が長く続いていってほしいと思いますね。カメラを撮る側としては、森ライの活動に来るようになってから、おじさんを撮るのが好きになりました（笑）」
門河さんご家族
「４年くらい前に、最初は千葉の海岸林のお手伝いで行って以来、今回で10回目くらいの参加になります。森ライの活動では、伐採、下草刈り、植林など、いろいろ経験させてもらいながら、東京にいるとなかなか感じることのできない自然の大切さを実感させてもらっています。私自身、15歳まで野生の鹿がいるようなオランダの森の中に住んでいたので、子どもたちにも自然を経験させたいですし、私自身も忘れて無関心にならないようにしっかりアンテナ張っていくためにも、必ずこの３人で参加しています。子どもたちも毎回、凄く行きたがっていますよ」