24世紀の世界自然遺産を目指そう!
カヤの平高原のブナの森づくり
- 活動日
- 2016年6月25日(土)26日(日)
- 活動場所
- 長野県下高井郡木島平村 カヤの平高原牧場
活動レポート
遅霜の被害にも負けず、
ブナの森づくりは着々と進んでいます。
季節外れの霜により大被害
自然は、ときに大きな力で人の営みを踏みにじることがあります。6月としては21世紀最強といわれる強い寒気が秋田上空に流れ込み、その影響でカヤの平高原にも季節外れの霜が降りました。ちょうど植栽地のブナが葉を開き始めた時期に重なったため、ほとんどの苗の葉が枯れてしまいました。また、今年、掘り採る予定だった林縁部の実生のブナ稚樹も同様にほとんどが葉を枯らしてしまいました。長野県のブナ博士、小山さんの見立てでは葉は枯れているが根が生きていれば、また再生してくるとのこと。すべてが無になったわけではありませんが、森ライのブナの森づくりにとってショッキングな出来事でした。幸い、茂みの中や大きな木の下にあるブナの稚樹は霜の被害を受けずに青々とした葉をつけていたので安心しました。
初日は雲の中を通って高原へ
梅雨の最中の活動なので天気が心配されましたが、晴れ女、晴れ男の多い森ライ。今回も雨に降られることはありませんでした。それでも木島平村に着いたときは、低く雨雲がたれこめ、木島平スキー場のいちばん上の急傾斜なゲレンデも雲に隠れて見えません。バスは、深い霧に包まれて、曲がりくねったカヤの平高原へ続く林道を登っていきます。スギやカラマツの人工林から、シラカバ、ダケカンバの天然林、やがてブナの大木が姿を現してきます。カヤの平高原総合案内所に到着する頃は、雲の上に出てしまったのか、霧も晴れていました。物置から、折り畳み式のリアカーやスコップ、苗を運ぶトレイを運び出し、小山さんにブナ林の説明をしてもらいながら牧草地のブナの稚樹の掘り採り場所へ向かいます。
茂みの中の元気なブナ苗を掘り採り
掘り採り場所に行ってみると、4年前に稚樹を掘り採った穴の部分にブナの種が落ち、掘り採れる大きさに生長していましたが、上を覆うものがなかったので霜にやられ葉が赤茶けています。しかし、新しい芽をつけている稚樹もあり、来年になれば復活してくれそうです。今年は掘り採れませんでしたが、掘り採った後にまた実生の稚樹が育ち、持続的に移植する苗を供給することができるのも、このプロジェクトのいいところ。エコロジーとエコノミーが両立しています。さらに、茂みの中を覗き込むと霜の被害に遭っていない稚樹がたくさんありました。小山さんの大きな苗を掘ってもいいですよ、の声に誘われてか、今年の参加者の皆さんは大物狙いの方が多かったようです。
初めての蛍狩りは不発に終わる
カヤの平の晩ご飯は、恒例のケヤキの森公園の中にあるBBQ場でバーベキュー。木島平村のわずか5軒だけの養豚農家が愛情を注いで育てているという産地銘柄豚「みゆきポーク」や地元産のおいしい野菜をたっぷりいただきました。「宿舎に帰る前にホタルを見に行きませんか?」というパノラマランド木島平の支配人さんのお言葉に甘えて、村内のホタルスポットに寄り道しました。しかし、天候が悪く、ホタルが飛ぶには気温が低すぎたようで見ることはできませんでした。しかし、夕暮れ時ののんびりした時間を過ごすことができラッキーでした。
夏空の下で700本のブナを移植
翌日は、青空も顔を出し一足早い高原の夏を感じさせる天気でした。昨日、掘り採った苗をていねいに移植していきます。この日だけ参加の八十二銀行さんからの社員ボランティア7名も合流し、にぎやかに作業を行いました。今回は、ジョンソン・エンド・ジョンソンさんからも2名の社員ボランティアが参加してくれています。時間までに約700本の植樹を完了。牧草地からブナの森へ還る面積がまた少し増えました。使った道具を物置にしまい、カヤの平高原牧場を後にします。しかし、今回はまだスペシャルな企画が。昼食は、なんとステーキ!村内に1軒だけのステーキハウス・デンバーで150gのステーキをいただきました。ボリュームもたっぷりで、皆さんからも大好評。おいしくて楽しい、カヤの平高原でのブナの森づくりを無事に終えることができました。次回のカヤの平高原での活動は、9月10日・11日の予定です。