冬が来る前に!カヤの平高原のブナの森づくり
- 活動日
- 2015年10月17日(土)~18日(日)
- 活動場所
- 長野県下高井郡木島平村カヤの平高原牧場
活動レポート
秋色に染まる高原で、はじめてのブナの種蒔き
なんとトラック火災で高速道路が大渋滞
10月中旬ともなると家を出る頃は、まだ日の出前の暗い中です。新宿西口の新宿センタービル前に参加者が集合し、バスで一路、木島平村を目指します。ところが関越道練馬料金所に着く前にすでに大渋滞。関越道所沢IC手前でトラックの火災があったとのことです。事故現場を過ぎるまでかなりの時間を要してしまいました。しかし、その後は渋滞もなく快調に進み、飯山市ではクラシックカーの祭典“ラ フェスタ ミッレミリア 2015”に参加しているクラシックカーにも遭遇。結局30分ほどの遅延で昼食をとる「道の駅 花の駅 千曲川」へ到着することができました。ここでブナ博士の小山さんと合流し、カヤの平高原へと向かいます。
大人も子どもも夢中になる、ブナの実拾い
麓ではまだ青々としていたカラマツも、林道をどんどん登って行くに連れ、黄金色に姿を変えています。カヤの平高原の黄葉はちょうど盛りを過ぎた頃。車窓を流れる美しい景色に見とれているうちにカヤの平高原に到着。木島平村役場の山本さんが出迎えてくれました。身支度を整えたら、いよいよブナの森へ向かいます。小山さんのレクチャーを受けながら、ブナの実拾いの開始です。村役場の山本さんと森ライ隊員2名は、種蒔きをするエリアの下草を刈るためにみんなより一足早く牧草地へ向かいました。
ブナの実拾いができるのは、数年に1回
ブナの実は、豊作と不作の年がはっきりしていて、一般的に5年から7年の周期で豊作になると言われています。2013年は若干、実が落ちていましたが、2014年はまったくの不作でした。今年は、6月の調査のときから、ブナの花がたくさん咲いていたので豊作が期待されていました。しかし、台風の影響等で熟するまえに落ちてしまった実が多かったのか、木によって実の付き方はまちまちでした。それでもたくさんのブナの実を拾うことができました。ブナの実は、1つの堅果の中に2つの実が入っていて、実は三角錐の形をしています。蕎麦の実に似ているので、ソバグリとも呼ばれます。栄養価が高く動物たちにとってはご馳走です。アクがないので人間も生のまま食べることができます。口に入れて噛んでみるとクリのような味がしました。
来春、芽を出したブナの赤ちゃんを見るのが楽しみ
2日目は、いよいよ種蒔き。みんなが拾った実の合計は、なんと3,500粒!これを初日に下刈りをしたフィールドに植えていきます。移植ゴテを地面に差し込み、ネズミに食べられてしまわないように5cmほどの深さの隙間をつくり、そこにブナの実を1粒入れて、上からしっかり踏み固めます。15cm間隔で実を植えていきます。このまま雪の下で冬を越し、来年の初夏にはブナもやしと呼ばれる双葉を出しているはずです。来年、カヤの平に来るのが楽しみです。
木島平村自慢の美しいダリア園に感動
無事に活動を終え、宿舎のパノラマランド木島平に戻り、昼食と温泉。そして今回のお楽しみ企画の、やまびこの丘公園のダリア園見学に出かけました。ダリア園には、約260種類、30,000本のダリアが植えられ、見頃は9月から10月の下旬。紅葉の山をバックに咲き誇る大輪のダリアの花は想像以上に美しく、ちょっと感動的な森づくりのフィナーレでした。さて、2015年は3回の活動で2,400本の苗と3,500粒の実を植えることができました。少しずつですが、未利用牧草地はブナの森に還っています。