未来の森づくりリーダー育成をめざすスキルアップ講習会
- 活動日
- 2015年12月20日(日)
- 活動場所
- 長野県佐久市
活動レポート
樹齢30年ほどのヒノキとカラマツの混交林でチェーンソーを使った間伐実習。
午前中はチェーンソーの構造と安全機能をしっかりと頭に入れます。
例年は雪に覆われていることが多い12月下旬の佐久。今年は暖冬のせいでその心配もありませんでした。早朝の佐久平駅で講師をお願いした信州そまびとクラブの工藤さん、今井さんと合流し、まずは公民館でチェーンソーの構造と安全機能のおさらいをしました。工藤さんが、チェーンソーを分解し、各部品の機能や安全装置の構造などを説明します。作業前にやっておくべき点検事項や作業後のメンテナンスについても学びました。ご自身の森林組合時代の体験談も交え、何が危険か、危険を避けるためにはどうすればいいかを一緒に考えました。
樹齢25~30年のヒノキ林を間伐。
早めの昼食を済ませ、身支度を整え実習林へ向かいました。空は晴れ渡り、風もなく、12月下旬とは思えない陽気です。それでも間伐が遅れている林内に入ると日差しが遮られるので、じんわりと寒さが身に沁みます。今回も工藤班と今井班に分かれ、ヒノキの間伐実習を行いました。間伐するヒノキは、樹齢が25~30年ほど。10数年前に一度間伐を実施しているそうですが、その後は放置されていたので太さは10数cmほどです。密集しているので、かかり木になりやすく伐倒の際は注意が必要です。かかり木になった場合は、ロープを使い、時間をかけて安全に処理します。
枯れ枝にも要注意。
間伐は一人ずつ交代で行いました。伐る木を決めたら、幹の曲がり具合や枝の張り出し方で重心を見極めます。また、枯れ枝がかかっていないかもよく確認します。演習林は、カラマツとヒノキの混交林。カラマツはよく枝を落とすので、ヒノキの枝に引っかかっていることがあります。気付かずに倒すと、枯れ枝が自分の上に落ちてくることがあるので要注意です。枯れ枝といえども直撃すれば大きなケガや死傷事故につながることもあります。
伐倒方向、上方、周辺、待避場所をしっかり確認。
なるべくかかり木にしないことを考慮しながら伐倒方向を決めます。次に伐倒の際に自分が退避する場所を確認。退避の際にじゃまになる枝や足を引っ掛けそうな灌木や石などがあったら処理しておきます。もちろん倒す方向や周辺に人が立ち入っていないかも確認します。周囲の安全を確認したら、いよいよチェーンソーのエンジンをかけ、受け口を作っていきます。他の人の作業を見るのも、勉強の一つ。仲間の作業を離れた安全な場所から見守ります。受け口の出来が、伐倒の良し悪しを決めると言っても過言ではありません。ていねいに作業を進めます。受け口が正確にできたら、細心の注意を払いながら追い口を入れていきます。つるを伐り過ぎないよう加減を見ながら慎重に進めます。狙った方向に倒れてくれたときは、何とも言えない達成感が全身にみなぎります。
明日の森づくりリーダーをめざして。
一人あたり4~5本ほど伐倒して林内での実習は終了。来たときに比べて森の中が大分明るくなりました。公民館に戻って、作業に使ったチェーンソーの清掃し、メンテナンスの復習をしました。カバーを外して内部の伐り屑を取り除き、エアクリーナーを点検します。ガイドバーの溝は専用のツールを使ってオイルにまみれた伐り屑を取り除きました。8月の刈払い機講習から始まり、全3回にわたって実施したスキルアップ講習会。普段の森林ボランティアの作業よりも少し高度な作業を体験することで、森づくりへの理解をより深め、安全な作業手順や危険予知に関しても学ぶことができました。これからの森づくり活動にこの経験を生かし、一人ひとりがリーダーシップを発揮していくことを願っています。