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2016/11/14 Updated

柴かきをしてアカマツの森を元気にしよう! ざんざ亭に泊り、伊那の味覚も楽しむツアー

活動日
2016年5月21日(土)22日(日)
活動場所
長野県伊那市富県

活動レポート

森ライ史上最上級のおいしさに
感激の参加者、柴かきもはかどるの巻!

いよいよ3年目を迎えた、伊那のアカマツの森づくり。家の梁などの建材として、炭や薪などの燃料として、また落ち葉は堆肥として、アカマツが盛んに利用され、それにより森が元気だった時代にはたくさん収穫できたマツタケ。姿を消したという場所で、再びお宝きのこに出会えるよう整備に乗り出したのがこの活動。菌根菌(きんこんきん)の一種であるマツタケ菌が好む環境をつくり、マツタケを収穫できたなら、この森づくりは経済的にも適う活動になって、循環型のモデルが実現するのです。今回のツアーでは、宿泊先が“鹿ジビエと山師料理”を味わえる古民家の宿「ざんざ亭」。募集後あっという間に定員に達しました。二日間ともきれいに晴れるし、柴かき作業も予定よりはかどるし、みんな始終笑顔でした!
柴かきの前の作業は、ハサミを手に

剪定ばさみを手に、柴かきの前作業。

新宿を出発した一行、お昼前に伊那に到着し、作業に備えて腹ごしらえ。焼きそば風ローメンの元祖というお店でお昼ごはんです!初めて味わう人が大半のご当地グルメは、オリジナルソースで炒めた太めの中華麺に羊肉入り。全員完食!さぁ、森に向かいます!5月にしては気温の高い一日でしたが、晴れわたる空と爽やかな森の風が迎えてくれました。大半が女性陣だった参加者のお顔も、キラキラと、晴れやかです。作業現場には、森ライがパートナーシップを組む、地元長野県の(株)アーバンフォレストリーからスタッフさんが。この森に精通した彼らが指南してくれます。最初は、熊手に引っかかり柴かきの妨げになる小さな雑木などの植物を、剪定ばさみでパチンパチンと切る作業です。いろいろな種類の植物が目に入る中で、菌根菌と相性が良いとされるソヨゴやネズミサシは切らないようにと、見分け方を教わりました。

落ち葉の小山をつくりながら、せっせと柴かき

専用熊手でせっせせっせと。

柴かきの作業では、専用の熊手で堆積した落ち葉を掻いていきます。現場に到着して見てみると、落ち葉はずいぶん溜まっているようですよ。これを放置しておくと、土が肥え、富栄養化を嫌うマツタケ菌が育ちづらくなります。マツタケ菌はアカマツと共生関係にあることから、アカマツも元気を失います。つまり、この森を元気にしようと活動することが、マツタケを復活させる可能性をも高めるのです!参加者のみなさんは、志と、マツタケがお口に入る夢を胸に、一生懸命作業します。掻いて集めた落ち葉は、面白いぐらいに積み上がっていくのでした。途中、クロモジやサンショウといった香りの良い植物を見つけて、ちぎったり、かじったり(!?)してみるメンバーたち。「わー、爽やか〜」と驚いたり、喜んだり。森は五感で味わうのです!

森の恵みの至福の夕食!

ざんざ亭の、一品目!

「明日の作業分がなくなっちゃう(笑)」と言われるほどにはかどって、本日の柴かきは終了!夕方の森をあとにして、一同ざんざ亭に。到着したざんざ亭は、緑のお山を望むのどかなロケーション、目の前の田んぼには準絶滅危惧種のアカハライモリが何匹もいました。「水がきれいなんだねぇ」と感心。そして、室内では、囲炉裏を囲むようにしてセッティングされた、今晩の我らの食卓に期待が高まります…!みんなで至福の夕食は、一品一品手をかけてつくられた、本当においしいお料理。鹿肉のさまざまな調理法に感嘆の連続です。森の恵みと創意あふれる料理人の長谷部さんに感謝!長野のワイナリーでつくられる赤ワインをお味見し、最後に蕗(ふき)のケーキ!をいただいて、しばし歓談。楽しい一日でした。明日に備えて早く寝ちゃう!

出るか出ないかはマツタケのご機嫌次第?

朝、出発前にざんざ亭前の花壇のルピナスを撮影する森ライ女子写真部。

鳥の声、再び晴れた朝!ちょっと早起きしてお散歩に出かけるメンバーも。またしても絶品の朝食をしっかりといただいて、アカマツの森に出発です。朝の森は清々しい!前日、一日分のノルマを超えてはかどったため、この日は別の斜面に移動して作業です。少し移動しただけなのに、掻いたときの感触が、はっきりと違いました。こちらのほうが乾いてゴツゴツした感じです。これも森の多様性の現れですね。アーバンフォレストリーの方に尋ねたところ、どちらがよりマツタケが出やすい環境だとは一概に言えないそうで、なかなか微妙なものであるらしいです。いわばマツタケのご機嫌次第。だからロマンがあるのでしょうか。

光前寺にお参りし、温泉で汗を流して帰京

作業を終えて晴れやかな表情。働いたあとでも足取り軽く!

さてさて、二日連続で、想定以上の範囲を制覇した柴かきメンバー。「また秋に来るよ。例のきのこ、頼んだよ!」と、アカマツの森に声を掛けて撤収です。バスで到着したお昼ごはん会場では、やはりご当地グルメ、サクッとした食感がおいしいソースカツ丼をいただきました。その後一行が向かったのは駒ヶ根市の光前寺。中央アルプスの麓にある、たいへん雰囲気のあるお寺で、霊犬早太郎の伝説が残っています。700年前、このお寺で飼われていた犬の早太郎が、村人を苦しめていた怪物を退治して命を落としたそうです。光差す美しい境内をお散歩し、早太郎のお墓にもお参りしました。光善寺のあとは、その霊犬の名のついた「早太郎温泉こまくさの湯」につかり、すっきりさっぱりして帰途に。渋滞もありましたが、みんなで元気に新宿到着です。この度もお疲れさまでした!

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  • さぁ、頑張るぞ〜。

  • この森のエキスパートの指南で。

  • 爽やかな風味のクロモジ。小枝をくわえる美女2名。

  • 想定以上にはかどった、1日目柴かき!

  • ざんざ亭に到着し、(ごはんの)期待に胸をふくらます一行!

  • 2日目の現場。昨日の斜面より、小さな植物が多いようです。

  • 昨日の斜面に比べると、地面がちょっとゴツゴツ。森は多様です。

  • 終了!頑張りました!

  • ご当地グルメ、ソースカツ丼!カツがサックサク♡

  • 光前寺の参道の見事な杉。触ったり、写したり。

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Voice
─参加者の声─
  • 長岡由美子さん
    初めての柴かきは、ものすごく楽しかった!単純作業が大好きなんですよ。日頃の仕事の反動でしょうか、黙々とやれるのがいい(笑)。青森出身で八甲田山を見て育ったせいか山好きで、趣味は登山です。月に2回は出かけますよ。山頂で食べるごはんがなにより最高!それから、山での一瞬一瞬を記録したくてカメラにハマっています。どんなことでもそうだと思うのですが、ケーブルカーで登って見た景色と、汗をかいて登って見た景色は違うんですよね。汗かいて育てた?マツタケも、きっとなおさらおいしいですよ!
  • 濱野由香理さん
    レギュラーメンバーです!去年は誰よりも来てるんじゃないですかね。楽しいですもん。森に入ると清々しくて気持ちがいいし、作業して、おいしいもの食べて…。普段はデスクワークですが、週末こうやって過ごすとリセットされるんです。柴かきは特に好きですね。マツタケですか?もちろん狙ってますよ!長岡さんと私は幼なじみで、共に青森出身。長野は山があってりんごがおいしくて、青森県民としては親しみを覚えます。でも、青森の山でマツタケは見たことないですねぇ。生えてるところを見てみたい!
  • 中島花子さん
    柴かきは初体験です。目に見えて嵩(かさ)が増していくのが楽しいですね。それに、きれいだと聞いていた長野の森は、やっぱりきれいです!中学生まで暮らしていた岡山県の山間部では、「マツタケ名人」と呼ばれるような人もいて、よくいただいたものでした。その頃は特別なありがた感はなくて、椎茸の仲間くらいのものだと思ってたんですよ(笑)。実家を離れてから手の届かないものになってしまい、そうなるとがぜん欲しくなります!やっぱりホイル焼きで食べたいですね。あの食感をもう一度…!
  • (株)アーバンフォレストリー 入江努さん
    7年前、山の仕事をするために大阪から移ってきました。もともと趣味だったツリークライミングと、里山整備とを、両立できそうだと思いまして。今も、とても魅力的な仕事だと思っています。最高です。山の仕事は、第一に、人にしかできない部分が多い。木を見ながら、丁寧に安全に行うためには機械では無理です。第二に、正解のないところがいいです。地形、気候、植生など、全部同じ山はないので教科書通りにはいきません。答えを自分の経験によってつくっていける醍醐味がある。林業は人手不足で、産業としてお金にできる人はさらに足りていません。マーケティングの力も併せ持つ人に、是非入ってきてほしいです。