森づくりの技能をさらに向上!森ライ初のスキルアップ講習会
- 活動日
- 2015年8月30日(日)
- 活動場所
- 長野県佐久市
活動レポート
刈払機の構造や安全な使い方を学び、今後の活動に活かしたい
大面積の下草刈りには、機械化も必要

公民館の軒下で車座になって座学を受講。
森ライが、森づくり活動をスタートしてから約7年が経ち、植林した面積も年々広がっています。植林をした分だけ、夏の下草刈り面積も増えていきます。今までのように手鎌だけでは作業が追いつかなくなっているのが現状です。そこで、今後は大鎌(造林鎌)や刈払機の導入も視野に入れています。しかし、刈払機は便利ですが使い方を間違えるととても危険な機械です。刈払機による死傷事故も毎年後を絶ちません。仕事として刈払機を使用する人には、林業・木材製造業労働災害防止協会(林災防)や各メーカーが実施している安全衛生講習を受講させておくことが事業者(雇用者)に義務付けられています。今回の講習では、まず刈払機の仕組みを理解し、どのような危険が存在するかを知り、安全に作業するためにはどうすればいいのかという基本中の基本を、実地講習を交えて学びます。林災防などが実施している安全衛生講習ではありません。
午前中は、公民館の軒先で座学
早朝に佐久平駅に集合したメンバーは、信州そまびとクラブ代表の工藤さんのお宅のすぐ近くにある地区の公民館で座学を受講します。なかなか止まない雨を避けるため、軒先に集まり刈払機や刈刃、安全具の種類などを学びます。また山林での作業の進め方や刈刃の刈り位置についての注意を聞きます。刈払機やチェーンソーは、キックバックを起こさないように刈刃の刈り位置が決まっています。これを守らないと、刃が堅いものに触れた時にキックバックを起こし、大きく弾き飛ばされ、たいへん危険です。キックバック以外にも刈払機の作業では、斜面での転倒やハチ刺されなど様々な危険があります。実際の体験談を交えた工藤さんの説明に、受講者も真剣に耳を傾けました。
簡単なメンテナンスや始動方法などを学習

刈払機のメカニズムを学んでいます。
テキストによる座学の後は、刈払機の構造や各部の名称、機能などを学びます。安全ベルトの装着法、なぜ安全ベルトが必要なのかなど学ぶことはたくさんあります。簡単なメンテナンスやエンジンの始動法についても説明を受け、実際にエンジンを始動させてみました。ここまでで午前中の講習は終了。公民館でお弁当を食べて一休み。午後は、いよいよ実地での講習です。
実際に草を刈ってスキルをアップ!

佐久・大沢の森に移動。雨も小降りになりました。
小雨の中を実地講習の現場に移動。佐久市大沢地区で森ライが森づくりをしている森の入口に集合しました。最初から急斜面での作業は危険ですし、小雨も降っているので、入口付近の平坦な部分の草を刈ることにしました。大沢地区の住民が農作業の時に車を止める空き地が、雑草で覆われているので、この付近を中心に草刈りを実施することにしました。各自、合羽に身を包み、刈払機を持って草むらに立ち向かいます。刈払機は、チップソーを装着したものと笹刈刃を装着したものを用意し、途中で交換して切れ味の違いなどを試しました。背の高い草は、一度、上の方を刈って、2段に分けて刈った方がいいとか、スロットルの開け具合とか、腰の入れ方などその都度、工藤さんがアドバイスをしてくれます。最初はおっかなびっくりだった参加者も次第にコツをつかみ、エンジン音も軽快に草むらを刈り進みます。固い茎などに刈刃が当たるキュインキュインという音も心地よく聞こえます。後ろを振り返ると、作業をしたあとがはっきりわかるのが下草刈りの醍醐味。やりがいをズシンと感じるときです。実地講習を終えて、各自にんまりしながら自分が刈ったエリアを見渡しました。
明日の森づくり活動のために
小雨の中、無事終了した第1回のスキルアップ講習会。この講習だけで刈払機が使えるようになるわけではありませんが、危険があることを認知し、安全な作業をするための注意点を理解するなど得るものが多かったと思います。この講習をきっかけにして、安全に刈払機での作業ができるようにさらにスキルを上達させ、来年以降の森づくり活動に役立てていきたいと思います。