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2016/11/27 Updated

アカマツの森で伊那の秋を満喫するツアー

活動日
2016年10月1日(土)2日(日)
活動場所
長野県伊那市富県

活動レポート

さぁ、秋も本番。
アカマツの森の様子を見に行こう!

伊那市・富県地区で2013年から行なっているアカマツの森づくり。かつては良質なアカマツ材の産地として知られた伊那地方ですが、昭和30年代の燃料革命により山村地域でもガスや石油、電気が普及、それまで焚き付けの材料だったアカマツの枯葉や枯れ枝は使われなくなってしまいました。森の中に堆積した落ち葉は、腐葉土となって土壌を豊かにします。しかし、アカマツは、富栄養な土壌ではうまく育つことができません。地面を覆う落ち葉や枝を取り去って森を元気にし、アカマツと共生関係にあるマツタケも復活させることが、プロジェクトの目標です。秋も深まり、いよいよキノコの本格シーズン。マツタケに出会えることを楽しみに、森ライ一般参加者と地元の八十二銀行有志ボランティアの皆さん、合わせて25名が集まりました。
マツタケをめざして、25名が森へ集結

気合を入れて、森へと出発!

東京を出発し、伊那市に到着したのはちょうどお昼どき。まずは名物のローメンで腹ごしらえです。いくつかバリエーションがあるようですが、この日はボリュームのある太麺にスープたっぷりのタイプ。完食したところで、さっそく森に向かいましょう。アカマツの森に到着すると、このプロジェクトで協働している地元企業、アーバン・フォレストリーの吉見さん、杉原さんが出迎えてくれました。八十二銀行の皆さんとも合流し、さっそく森の様子を見に出かけます。具体的に何をするかと言うと、キノコ探し。この時期の伊那では20〜30種類のキノコが生えているとのこと。もちろん、めざすはマツタケです!

人の手で育まれる、豊かな森の恵み

足元に広がるナラタケの群生。

森に一歩足を踏み入れた瞬間、やはり人の手が入ることの意味は大きい、と実感させられました。昨年の秋にはほとんど見られなかった、色も形もさまざまなキノコが地面のあちこちに顔を出しています。多くが有毒ということですが、なかには食べられるキノコも。ムラサキシメジ、キシメジ、ナラタケなど、食用できるキノコの見分け方を教わり、全員、地面に注目しながら森の奥へと進みます。ナラタケの群生に歓声を上げたり、真っ白で大きなタマゴテングタケ の迫力に驚いたり、都会では味わえないワクワクする時間をすごしました。

ドキドキのジャッジング・タイム!

1時間ほどで、こんなにたくさんのキノコが集まりました。

小1時間ほど森を観察したあとは、それぞれが集めたキノコを持ち寄り、吉見さんによるジャッジング・タイム。ブルーシートの上に一人ずつキノコを広げ、「食べられる」判定の出た人は笑顔でガッツポーズ!残念ながらマツタケには出会えませんでしたが、種類も数も豊富なキノコに、森の恵みの豊かさを感じました。活動へのモチベーションが上がったところで、本題の森づくり。今日は柴かきのとき邪魔になる灌木の枝を切り払う、除伐という作業を行います。アカマツは日当たりと風通しのよい場所を好むため、森を元気に育てるためにも大切な作業です。

慣れた手つきで、枝の除伐作業

手の届く高さの枝を切り落としていきます。

各自ノコギリやヘルメットを装備して、再び森の中へ。さっそくノコギリを動かし、目に付く枝をどんどん切っていきます。この日は常連の参加者が多く、手つきも慣れたもの。初参戦の八十二銀行の皆さんも奮闘しています。5月に柴かきと除伐の作業を行ったこともあり、森の中はまたたく間にスッキリ。「これじゃもの足りない!」という声も上がりましたが、明日の活動に備えて作業は1時間ほどで終了。一般参加チームは今日の宿、ざんざ亭へと向かいます。

お楽しみの夕食は、鹿づくし!

囲炉裏でじっくりと調理。雰囲気も味もたまりません!

途中、買い出しに立ち寄ったスーパーを出たところで、先ほど別れたばかりの吉見さんが待っていました。手にはなんと、2本のマツタケが!私たちが出発したあとに発見し、わざわざ届けてくれたそうです。あれだけの人数で見つけられなかったのに、やはり森のプロの目は違う……。このマツタケは明日のお昼のお楽しみです。ざんざ亭は三峰川に面した趣のある古民家の宿。店主の長谷部さんは猟師兼料理人でもあり、鹿をはじめとする地元産のジビエが味わえるとあって、森ライメンバーに大人気です。鹿のパテや網焼き、鹿ローメンなど、山の恵みをたっぷりといただきました。

翌朝も元気いっぱいに作業開始

力を合わせて、どんどん玉切り。

川のせせらぎを聞きながらゆっくりと疲れを取り、翌朝も元気に全員集合!昨夜に続き、心づくしのおいしい朝食にテンションが上がります。バスに乗り込みアカマツの森へ着くと、深い霧が立ち込め、なんとも幻想的な雰囲気。足元も滑りやすいので、気をつけましょう。今日行うのは、枯れたアカマツの除伐。吉見さんたちがチェーンソーで切ったアカマツを玉切りし、邪魔にならないように積み上げていきます。昨日ちょっともの足りなかった分、みんなのやる気がすごい!懸命にノコギリを動かし、重い丸太を次々に運んでいきます。

最後まで森の恵みを堪能しました

森の豊かさが詰まったお昼ご飯に舌鼓。

作業の途中、斜めになった木にロープをかけ、倒れる方向を調整しながらの伐倒が始まり、みんなの目は釘付けに。2人がかりで声をかけ合いながら、安全に、確実に木を倒していく様子は圧巻。拍手がわき起こります。森の仕事の現場を見てやる気もアップ、作業はスムーズに進み、2時間ほどで森はすっかりきれいになりました。最後のお楽しみは、ざんざ亭に戻ってのお昼ご飯。長谷部さんが用意してくれたマツタケのおにぎりに、いろいろなキノコの汁物、鹿ローメン。もちろん、みんなでとったキノコや、吉見さんが届けてくれたマツタケも!森の恵みを堪能し、森づくりの大切さをあらためて実感した、忘れられない2日間となりました。

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  • 少し歩くだけで、いろいろなキノコが目に止まります。

  • 食べられないけれど存在感がすごい、タマゴテングタケ 。

  • 食べられる?食べられない?吉見さんによる判定タイム。

  • 真剣な表情で枝を切り落としていきます。

  • 鹿のパテにイノシシのソーセージ。地元産の野菜も別格のおいしさ!

  • 2日目は霧の中で作業スタート。

  • ロープを駆使しての伐採作業は圧巻!

  • 玉切りした丸太を手際よく片づけていきます。

  • 帰り際、伊那市内の漆戸酒造さんを見学させてもらいました。

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Voice
─参加者の声─
  • 須崎 稔さん(八十二銀行)
    社内のボランティア活動で、天竜川のゴミ拾いなどに参加したことがあります。森での活動は今回が初めて。地元で暮らしているけれど、山歩きをするなんて子どものころ以来ですね。食べられるキノコを見つけられたのはうれしかった!マツタケがたくさんとれるようになって、伊那がもう一度有名になったらいいな、と思います。
  • 中村あかねさん、中村芝津さん
    (八十二銀行)
    地元出身だけど、こんなに山の奥まで来るのは初めて!ノコギリを使うのも初めてで、あっという間に腕が重たくなりました(笑)明日は腕や足がパンパンになりそうだけど、こんな体験も楽しいですね。伊那のアカマツのことはよく知らなかったので、とても勉強になりました。
  • 東條純子さん
    森ライ歴は気づけば4年目。活動を通じていろんな人と知り合うことができて、行動範囲も広がりました。仕事などの人間関係には限りがあるので、自分にとってすごくいいことだな、と思います。森づくりは永続的に続く活動なので、この先もたくさんの人と出会って、一緒に作業をして、想いを共有していきたいですね。
  • 両角恭子さん
    富士山が大好きで、もう10回以上登っているんです。何度か登るうちに、落ちているゴミが気になるようになって、それがきっかけで環境問題に興味を持ち始めました。なかなか予定が合わないけれど、来れるときは必ず森ライに参加していますよ。作業をモリモリやるのが好きなんです!