暗い森を明るくするための伐採とみんなでつくったお米でお昼ごはん
- 活動日
- 2017年11月12日(日)
- 活動場所
- 東京都八王子市上川の里 特別緑地保全地区
活動レポート
見事に晴れ渡った気持ちのいい秋の1日に、森で汗をかき、待望の新米に舌鼓!
暗い森が少しでも豊かな森になることを目指して
ここの田んぼで収穫した待望の新米を食べる前にやることは、森に向かい、光が入りにくいほどに茂った雑木の伐採です。林業関係者は、暗く、下草も生えない森を「荒れた森」と言います。雑木を伐り、光が入って下草が生えるようになれば、雨水が地面にしみ込みやすくなります。健全な森は「緑のダム」とも呼ばれ、降った雨がしっかり地面に貯水され、養分豊富な湧き水となって川を潤し、遠方の海までも豊かにします。もちろん、この場所で今後も行う田植えにとっても、いい水は重要です。というわけで、荒れた森が少しでも改善されるように、まずは森へ、レッツ・ゴー!
腕より細いくらいの雑木を伐採
上川町特別緑地保全地区の森は一部に植林された杉やヒノキが見られますが、今回私たちが向かったのは、雑木が生い茂って暗くなっている天然林部分です。ここで、松やコナラの太い木に混じって背を伸ばしている高さ4〜5メートル、腕よりやや細い程度の木々が対象です。ある程度太い木は「受け口・追い口」を作るのが基本ですが、このくらいの細い木は、そのままストレートにノコギリを入れて伐っていきました。
チェーンソーで伐った杉の木から丸太を調達
チェーンソーは資格を必要とするため、私たちの伐採作業は普段、手ノコで行っています。作業効率とう点ではチェーンソーにまったく歯が立たないうえに、腰回りほどもある太い木となるとお手上げですが、生きた木の感触を感じる度合いという意味では断然手ノコです。しかし今回、午後に薪割りをやるための丸太の調達ということもあって、ご協力いただいている林業者の方たちの手で、杉の木を1本、チェーンソーで伐採。そして伐倒後は、手ノコを使ってみんなで枝を払い、再びチェーンソーで切断。このように、目的に合わせて切断していくことを玉切りといいますが、こうして丸太を用意していきました。
収穫したお米の出来映えはいかに…
森で身体を動かし、ちょうどいい具合にお腹もすいてきたら、近所のコンビニにお願いしてホカホカに炊いてもらった銀シャリの出番です。今回参加いただいた方々のなかには6月の田植えを経験していた方も多く、みなさん興味津々です。果たしてそのお味は? ちなみに、近くに住み込みながら夏場の雑草取りにも精を出したスタッフのHによると、「もっとお粗末な出来も覚悟していたけど、信じられないほど美味しい」とのこと。実際、参加者の方々の評判も上々で、みなさん口々に「美味しい!」を連発していただきました(ホッ)。今回は炊いた米と生米合わせて11.7キロを用意しましたが、これはここの田んぼでとれたうちの約3分の1ほどで、残りの3分の2は、田植えをお手伝いいただいた保育園や小学校に差し上げたり、今後のイベントに活用していく予定です。
薪割りは、足を開き腰を落として
昼食後は、再び森に向かう「伐採組」と、運んできた丸太を斧で割っていく「薪割り組」に分かれての作業です。伐採組は、慣れてきた頃こそ注意が必要ですが、午後も怪我人が出ることなく作業が進められました。そして初めて薪割りを経験する人も多かった「薪割り組」。コツとしては、まず第一に、とにかく両足をガバッと開き、斧は腕の力だけで振り下ろすのではなく、腰からストンと落とすようにすることです。足を開くのは、万が一、斧を空振りしたり薄く当たったときに足を怪我しないためで、腰から落とすのは手だけで斧を振るのは危険なのと、体重が乗るのでより力が伝わりやすいからです。こうして今回も、たくさんの笑顔に包まれながら終了。皆さん、どうもありがとうございました。次回もよろしくお願いしま〜す!
Voice
─参加者の声─
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仁志田竜司さん・友理さんご夫婦
「千葉の海岸防災林や、長野の下草刈りなど、旦那が6回目くらいで、私が10回目くらいの参加になります。ここ八王子での作業は、山での伐採と田植えに続いて今回で3回目です。何度もリピートしている理由ですか? なぜでしょうね。いつもオフィスでパソコンばかりを見ていて緑が恋しくなるのと、あと、お知らせが来ると“あっ、行かなきゃ”って思って(笑)。これだけの体験ができて、緑に囲まれて、ボランティアに参加できて、ご飯も美味しくて、ときどきレクリエーションもあって、もっとみんな来ればいいのにと思っています」