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2017/10/30 Updated

北ドブ湿原のトレッキングや苔玉(ブナ玉)づくり!
カヤの平高原をめいっぱい楽しむブナの森づくりツアー

活動日
2017年9月9日(土)10日(日)
活動場所
長野県下高井郡木島平村 カヤの平高原

活動レポート

木島平村民も森づくりに参加。
お楽しみ企画も盛りだくさんな2日間。

今年2回目のカヤの平高原牧場のブナの森づくりは、森ライ一般参加の皆さまの他に、木島平村、八十二銀行飯山支店の社員ボランティア、下高井農林高校の皆さまにも参加していただき、地域の人たちと手を携えた活動になりました。また、ブナ博士 小山泰弘さんのガイドによる北ドブ湿原トレッキングや苔玉(ブナ玉)づくりワークショップ、里の秋祭り見学などお楽しみ企画が盛りだくさんの2日間でした。
使われなくなった牧草地をブナの森に還します

ブナの森の入口付近は150年生ほどのブナが多い。

このプロジェクトは、牧草地にブナの稚樹を移植して、元のブナの森に還すのが目的です。カヤの平高原牧場は、1956年に約54haの国有林を木島平村が借り受けて開墾してつくったもの。夏の間だけ村から牛を連れてきて放牧していました。しかし、牛乳需要の減少や酪農家の高齢化などに伴い牧場を利用する牛の頭数も減ったため、一部を森に還して国に返還することにしました。長野県のブナ博士 小山泰弘さんが林縁部にある実生のブナ稚樹を移植することで、自然のまま森に遷移するのを待つよりもずっと早く森に還せる方法を考案し、森のライフスタイル研究所と木島平村が協力して森に還す活動を続けています。

地域の人々と力を合わせて森づくり

地域の人たちも交えた森づくりが理想です。

森ライ参加者、八十二銀行の社員ボランティア、木島平村の皆さま、さらに下高井農林高校の生徒の皆さまと引率の先生が加わり総勢44名で森づくりです。まずは移植用のブナ稚樹の掘り採り作業。土曜のみ参加の村民と八十二銀行、下高井農林高校の皆さまは、前半にブナ稚樹の掘り採りを行い、後半は移植作業を実施。八十二銀行さんは、2013年の創立82周年記念植樹以来、飯山支店を中心に毎年、活動に参加していただいています。下高井農林高校は、昨年からグリーンデザイン科 緑地系の生徒が参加してくれるようになりました。地域の皆さまにも、ブナの森づくり活動の輪が広がってきています。

ブナの苗は自給自足です

母樹の周りで実生のブナを掘り採ります。

前回の活動で、牧草地の入り口付近のブナ稚樹は掘り尽くしてしまったので、今回はさらに奥にあるブナの根元から掘り採ります。ブナの葉っぱは、縁が波型になっているのが特徴。慣れるとすぐに見分けられるようになります。また、ブナは根を浅く張るので、それほど深く掘らなくても大丈夫。掘り採った稚樹は根の周りの土ごとトレイに入れ、リアカーに乗せて移植エリアまで運びます。掘り採った穴はそのままにしておけば、そこにブナの種が落ち、何年か経てばまた掘り採れる大きさの稚樹に育ちます。つまり、持続的に稚樹を掘り採ることができるのがカヤの平高原の森づくりの特徴の一つ。他所から苗木を購入する必要はありません。

木島平村の伝統文化に触れる夜

大きな松明を掲げて、独特の動作で舞いながら進みます。

掘り採り作業も無事に終え、夕食後は、南鴨地区の秋祭りを見学しました。木島平村では9月になると毎週末、村のどこかで秋祭りが開かれます。お祭りのメインは夜に行われる天狗の舞と獅子舞です。各地区の区長さんの家で獅子舞が披露され、その後に天狗の面を被った若者が松明を持ち、舞いながら神社へと向かいます。後ろには笛や太鼓のお囃子と地区の大人や子どもたちが灯篭を持って続きます。神社の前に張られた縄を天狗が刀で切り(シメ切りといいます)神社へ入ります。神社では獅子舞が奉納され、深夜までお祭りは続きます。古くから伝わる村の伝統行事を間近で見ることができました。秋祭りが終わると、村では稲刈りが始まります。

ブナの森が、少しずつ広がっていきます

掘ったブナを植える。自給自足の森づくり。

2日目の午前中は、移植作業。昨夕、合流した参加者1名を加え、森ライと八十二銀行のボランティア21名で昨日掘り採ったブナ稚樹を植えます。スギやヒノキが通常1.8m間隔で植えるのに対し、ここでは約50cm間隔で密植します。ブナは乾燥を嫌うので密植することでお互いが蒸散する水分で潤います。また、ブナの木の根元の実生の稚樹もこのくらいの間隔。自然の状態に近い形で植えます。植えたブナは冬の雪の重さに耐えて春を迎え、それから先は苗たちの過当競争が始まります。先に大きくなったものが日光を独占して、さらに大きくなっていきます。たくさんの苗を植えても、100年後に残るのは数本です。

森を学びながらトレッキング

森の奥にこんな広大な湿原が現れます。

さて、午後はブナ博士 小山さんのガイドで北ドブ湿原まで森林学習をしながらトレッキング。村民4名も参加してくれました。森林の生態や樹木の話、キノコの話などを聞きながらのんびりと歩きます。この散策路は森林セラピーロードに認定されているので、森の知識とともに心と体の健康も得ることができました。途中で見つけたキノコは毒キノコばかりでしたが、かわいらしい姿にカメラを向ける人もたくさん。フォトジェニックな秋の森を楽しみました。村民の中にも北ドブ湿原は初めてという方も多く、こんなに豊かな自然が身近な所にあることを驚いていました。

苔玉にしてブナを持ち帰ろう

子どもたちも苔玉づくりにチャレンジ。

トレッキングから戻ったら、ロッヂの前で苔玉(ブナ玉)づくりワークショップです。ロッヂ管理人のお母さんも参加してくれました。木島平村役場の武田さんに作り方をレクチャーしていただき製作開始。昨日、苔玉用に選り分けておいたブナの稚樹の中から好きな稚樹を選び、根の周りに保水力の高いケト土と赤玉土を混ぜたもので泥団子状にして、その上から乾燥を防ぐため水苔でくるみテグス糸で巻いてカタチが崩れないようにします。作った苔玉は、持ち帰っていただき、ご自宅で育てていただきます。大きく育ったら、またカヤの平高原に持ってきていただき移植しましょう。それまで大切に育ててくださいね。

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  • 村役場から産業課の土屋課長が挨拶に来てくださいました。

  • 掘り採り場所で小山さんのレクチャー。

  • ああ、お腹が空いた…。

  • 陽射しが強いのでなるべく日陰で掘り採ります。

  • ヨツバヒヨドリの花から蜜を吸うアサギマダラ。

  • お昼は天気がいいので屋外で。カレーです。

  • 生徒たちも初めての植樹活動に汗を流しました。

  • 村から参加のご夫婦。ご主人は小さい頃、牧場が開墾されるのを見たとこがあるそうです。

  • 2日目の朝。今日は八十二銀行飯山支店から8名が参加。

  • 2日間で0.1haのエリアに1,000本のブナを植えました。

  • しっかりした冬芽。来年、雪が解けたら芽を出します。

  • 北ドブ湿原トレッキング。キノコの説明にみんな注目。

  • 北ドブ湿原の看板の前で記念撮影。

  • 苔玉づくりワークショップ。きれいな形に作れました。

  • ブナの木にいっそう愛着がわくようになりました。

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Voice
─参加者の声─
  • イトダアヤノさん
    カヤの平高原は、2013年10月の活動に参加して以来、今回が2回目です。毎回、参加したかったのですが、以前の職場が土日続けて休みを取りにくかったのでなかなか来ることができませんでした。ここの森づくりは、自分で苗を採って、それを植えるので、樹木の生態について学べることが魅力ですね。昨晩は木島平村の秋祭りも見学しました。こうした地域の文化に触れることができるのも泊りがけの活動ならではのことですね。カヤの平高原のいちばんの魅力は豊かなブナ林です。今日、私がブナを植えた場所も100年、200年後には、あんな風になるのかなと想像しています。
  • 高島“ピエール”茂さん
    2016年まで森ライ活動の写真撮影をお願いしていたフォトグラファーの高島さんが、今回、一般参加者としてブナの森づくりに初参加。せっかくなので森づくり活動の写真撮影のコツをお聞きしました。
    「植林や下草刈りは、作業しているとき顔が下を向くので、表情を撮るにはなるべく低い位置からカメラを構えた方がいいですね。陽射しが強くて、顔が影になってしまうようなときは、レフ版で光を当てます。レフ版がなければ白い紙とかジャケットをレフ版がわりにして、顔に反射光が当たるようにするときれいに撮れます。カメラを引いて活動全体を撮るときは、水平をしっかり意識して撮った方がいいと思いますよ。カヤの平高原には、いい撮影スポットがたくさんあるので、ぜひカメラを持って参加してみてください」
  • 金井優花さん(八十二銀行 飯山支店)
    自宅は木島平村なんです。カヤの平高原は中学生のときに、学校の行事でキャンプに来たことがあります。そのときブナの葉っぱのスケッチをした思い出があります。今まで植樹をしたことがなかったので、やってみたかったのと、木島平村に住んでいるので、村の水源地であるカヤの平の森をよくしたくてこの活動に参加しました。午前中は、ブナの稚樹を掘り採る作業でしたが、他の木の固い根っこがじゃまをしてなかなか苗を掘ることができなく思っていたより大変でした。。植えるのも、こんなに密集させて植えるのに驚きました。今日、自分が植えたブナが大きく育ってくれればいいなって思います。また、機会があれば参加したいです。
  • 北林駿一さん(八十二銀行 飯山支店)
    私どもの銀行では、1年に1回は必ず地域のボランティア活動に参加しましょう!という決まりになっていて、飯山支店では毎年、有志がカヤの平高原のブナの森づくりに来ています。私は今回で4回目です。最初のときは、まだ新入社員だったので、来なきゃいけないなという義務感から参加したのですが、、毎年来るうちに、この場所にとても愛着がわくようになりました。この活動は、社会に貢献するために行っていますが、自然と戯れることって普段の生活ではないので、楽しみながら気持ちよく活動しています。カヤの平高原にはプライベートでもキャンプによく来ます。長野県はどこも自然が豊かですけが、ここは特別ですね。雄大な自然があるので、たくさんの人たちにぜひ来てほしい場所ですね。
  • 酒田みゆきさん・虎徹さん(木島平村)
    村の広報で、今日の北ドブ湿原トレッキングと苔玉づくりのことを知りました。上の息子とトレッキングっていうのをやってみたいな、と思って申し込みました。カヤの平には中学校のときにキャンプで来た記憶がありますが、もうずいぶん昔のことで…(笑)、たぶんそれ以来だと思います。今日、来てみて自然が豊かでとても新鮮でした。小山先生のお話もわかりやすくて、とても楽しかったです。カヤの平の新しい魅力を発見できました。息子もとても楽しんでいたようです。来年もこういう催しがあったら、ぜひ参加したいですね。ブナの植樹もやってみたいと思います。