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2019/1/11 Updated

上川のお米とジビエと山師料理で収穫祭。里山の整備もがっちりツアー

活動日
平成30年11月11日(日)
活動場所
東京都八王子市上川の里 特別緑地保全地区

活動レポート

フサコガネ、餅米とともに楽しむジビエ料理、 森では伐採&伐った木の運搬

6月に苗を植え、夏場にはスタッフがせっせと雑草を取り、10月の稲刈りを経て、今年も八王子市上川町特別緑地保全地区の田んぼから無事に米を収穫することができました。そして、ここでとれたフサコガネと餅米とともに、ジビエ料理人の長谷部晃さんに腕によりをかけてつくっていただいた珠玉の料理を皆さんと一緒に楽しむ豪華な昼の宴「収穫祭」の日を迎えました! もちろん宴の前には森での仕事もちゃんとやります。そんな秋の1日をレポート!
「楽しいこと」の前にはしっかり「正しいこと」を

斜面に集合して、まずは作業の説明。

「正しいこと」と「楽しいこと」をツアーに盛り込んで行ってきた森ライの活動。今回も、間違いなく楽しく美味しい収穫祭の前にやるべき「正しいこと」は里山の整備です。具体的には、これまでと同様に雑木の伐採を行い、今後山路に撒くためのチップにする作業がしやすいように、これまでに伐った木も含めて、なるべく搬出しやすい下の方まで運ぶことです。長靴に履き替え、グローブをはめ、ヘルメットをかぶり、ノコギリを持って今回の対象となる森の中にGO!

「受け口」と「追い口」を作る伐採方法

受け口の少し上の反対側から追い口を入れているところ。

今回は、ある程度太い木にも活用できる、基本中の基本ともいうべき「受け口「追い口」をつくって木を伐る方法にトライしてもらいました。まず、木を倒す方向を決めたら、ノコギリを使って倒す方向に入れる三角形の切り込みを「受け口」、受け口よりやや上部の反対側から入れる切り込みを「追い口」といいます。この方法をとることで、木を狙った方向に倒しやすくなります。また、この方法で伐ると、追い口が受け口に達する前に木は自重で傾きはじめ、受け口と追い口の間には伐らない部分(ツルといいます)ができ、これが蝶番のような役目を果たして木はゆっくりと倒れるので、より安全な伐採方法といえます。

里山の手入れにとって不可欠な雑木の伐採

ある程度の間隔を保ち、木を倒す方向に人がいないかを確認しながらの作業です。

参加者のなかにはときどき「山の木を伐るのは環境を破壊しているのでは?」と心配なさる方がいらっしゃいますが、雑木の伐採は、降った雨が地面に貯水され、養分豊富な湧き水となって周囲を潤してくれる保水力のある健全な森づくりのために不可欠な「正しい」作業です。また、明るい森は、歩きやすく、山の自然を楽しみにやってくるハイカーたちにも快適な空間を提供してくれます。みなさん「初めての体験」という受け口・追い口を作りながら、最初は自分の腕より少し細いくらいの木から伐っていましたが、要領をつかむと、太ももくらいあるような太い木にもチャレンジ。こうして、暗かった森が次第に光って明るくなっていきました。

伐った木は今後の使用を考え搬出しやすい場所に運搬

太い木は、スキー板をかつぐ要領で。

お昼までの残った時間は、伐った木を今後搬出しやすい場所まで運ぶ作業です。これまでに伐った木は将来的にチップに刻み、山路に撒くことで、森の整備と景観美化の両立を目指していきたいと考えています。なかには太い木もあり、かつ傾斜のきつい箇所もあり、かなりの重労働でしたが、ケガもなく作業は進められました。

待ちに待ったお昼ご飯のはじまり〜!

奪い合うようにはじまったお昼ご飯。大丈夫、人数分以上ありますよ〜。

そして、動かした身体が空腹を訴えはじめたころ、テーブルセッティングしてある場所では、早くもい〜い香りが漂いはじめています。待ちに待ったここの田んぼで収穫した新米とジビエ料理による収穫祭のはじまりです! 「お腹いっぱい食べられますか?」と心配していた若い参加者もいましたが、質だけではなく量も充分。みなさんたっぷり食べてくださいね!

珠玉のジビエ料理、この日のメニュー

今年の新米のデキはというと、やや水っぽいものの上出来でありました。

ジビエ料理人の長谷部さんにつくっていただいた料理の数々。炊いたフサコガネの白米、餅米はキノコとゴボウのおこわに仕立てに。さらに、鹿肉入りテリーヌと野菜の盛り合わせ、鹿と豚肉の腸詰めソーセージ、鹿カレー、鹿の内股の柔らかい肉の炭火焼、お味噌汁…。鹿肉の臭みを上手に緩和し、かつその魅力を引き出したジビエの真骨頂ともいえる料理でした。

この日の最後は機械による脱穀体験

「やっぱり機械は凄い!」を実感したのでした。

昨年、稲作をはじめたときの脱穀は足踏み式で大変苦労しましたが、今年は中古ながら機械式脱穀機ハーベスタを購入。おかげで、桁違いの効率で脱穀が可能になりました。この日のシメは、この機械を使って残った稲の脱穀です。みなさん、ここでも、はじめての体験に興味津々。こうして秋の1日は暮れていきました。みなさん、お疲れさまでした!

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  • 森では、この辺りの雑木を伐っていきました。

  • 救急救命士さんもちょいとお手伝い。

  • フナッちゃんによるチェーンソーの実演。

  • 雑木はいったん周辺に集めてから下まで運びました。

  • ちょいとひと休みで「ハイ、ポーズ!」。

  • こちらはドヤ顔で「ハイ、ポーズ!」。

  • 運んだ木は運び出しやすい位置に集めていきました。

  • 今回料理をお願いしたジビエ料理人の長谷部晃さん。長野県伊那市で鹿ジビエと山師料理の宿「ざんざ亭」を経営。

  • 美味しい顔その1。

  • 美味しい顔その2。

  • 脱穀をしながら次第に日が傾いていき、この日の作業は終了です。

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マウスポインタを画像に合せるとキャプションを表示します。画像をクリックすると拡大表示します。

Voice
─参加者の声─
  • 川上さん
    「前回の稲刈りと路づくりに続いて2度目の参加です。前回参加したあとには筋肉痛になってしまいましたが、身体を動かすのはやっぱり楽しいですよね。路づくりでは、普段見慣れていた山路の流れ止めの木なども、こうやってつくっていたんだなとか、山の仕事を生で見ることができて実感できました。今後、山の見方も変わるようすごくいい経験だったと思います。そして今回は、すご〜く楽しみにしていたジビエ料理のご飯。最高に美味しかったです!」
  • 太郎さん
    「務めている会社では節目節目にいろいろやってきましたが、昨年60周年を迎えて何か社会貢献をしようということで、その一環として今回初めて5人でやってきました。汗をかくのはやっぱりいいですね。生まれは山形の農家でしたので、僕らの世代は、小さいときから薪割りを手伝ったり、山に行って山菜採りをやったり、木の匂いも土の匂いも山の匂いも懐かしく、なんとも言えないです。今日は田んぼで育てたご飯を食べましたが、小さい子たちが田植えからはじめるこういうイベントに参加することで、どうやって米ができるかを体験できるわけですので、そういうことがすごく大事だと思いますね」