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2019/2/24 Updated

3.11復活の森づくり
3,000本の植林で海岸防災林の再生ツアー
おたのしみは、恒例のいちご狩り

活動日
2018年2月17日(土)
活動場所
千葉県山武市 蓮沼殿下海岸林

活動レポート

東日本大震災を風化させないためにも、2012年から続けてきた 「3.11復活の森づくり」が今年もスタート!

2011年3月11日の東日本大震災による津波で失った千葉県九十九里浜の海岸林を取り戻すために、2011年8月にプロジェクトを立ち上げ、2012年から植林を続けてきた復興活動も今年で7年目に突入しました。好天に恵まれた2月半ばの土曜日。本日の目標は3,000本ほどの植林と目印棒の設置です!
まずは活動の原点をもう一度確認

一般参加と企業参加、合わせて約60人で2018年度の活動がスタート!

東北地方の太平洋沖に発生した地震による津波によって、青森県から千葉県にかけての海岸線で、延長140キロ、面積1,768haもの海岸林が被災したと言われています。震源地に近いところでは一瞬にしてその姿が消失し、ここ九十九里のように溜まった海水による塩害で次第に枯れていってしまった海岸林もあります。3万4千キロに及ぶ日本の海岸線には、海からの強風、飛砂、塩害、高波、津波などから生活圏を守るために、多くの海岸林が存在しています。それらは自然にできたものではなく、そのほとんどが、古くは藩政時代から人々の手によって造成された人工林です。震災後、失われた海岸林の防災機能が改めて見直され、被災地では海岸林再生の取り組みが進められています。いち早くその取り組みを始めた私たちとしても、その手を緩めることなく、ボランティアの方々や企業参加される方々、地元の方々等とともに、未来の立派な海岸林を目指して、7年目の今年も九十九里浜殿下海岸での活動のスタートです!

本日の目標は、クロマツの苗と目印棒をセットに3,000本!

ご覧のように、苗と目印棒がワンセットです。

森ライでは、2012年より毎年3,000本〜6,000本、多いときは1万本ほどの苗を千葉県山武市蓮沼の殿下海岸に植林してきました。当初はクロマツとともにマサキとトベラの苗も植えましたが、現在はクロマツ1種に絞って植林しています。クロマツはやせた土地や乾燥、潮にも強い古くから海岸部に自生していた種で、古くから組織的に植栽され、現在でも海岸林造成の主要樹種となっています。そして2018年第一弾となる今回の目標は、このクロマツの苗3,000本の植林と、植林した苗の脇に目印棒と呼ばれる杭を立てていく作業です。この目印棒の役割は、夏場になると発揮されます。というのも、夏が近づくにつれて植えた苗の周囲は「これでもか!」というほど雑草に覆われて苗を覆い尽くしてしまうので、盛夏に雑草を刈る「下草刈り」の際に誤って苗ごと刈ってしまわないよう、苗を植えた箇所がわかるように設置するものです。

なまった身体にはビシビシ響く植林作業

苗と目印棒は、1mほどの間隔をとって植えていきます。

前述の通り、ここ殿下海岸での活動は6年目になりますが、当初はまったく天候に恵まれませんでした。海からの風とともに猛烈に降り注ぐ横殴りの豪雨の中での作業になったこともありました。しかし、ここ数年は天気にも恵まれるようになり、本日も春が近いことを感じさせるような快晴です。それでも「言うは易く行うは難し」。スコップで穴を掘り、腰を屈めて苗を植え、苗がしっかり根付くように周囲を両足で踏み固め、掛け矢(木槌)で目印棒を打ちつけて行く作業は、普段運動から遠ざかっている身体にはびしびしとこたえます。それでも参加者の皆さんは、弱音を吐くことなく午前中のうちに予定数を確実に植えていったのでありました。パチパチパチ。

働いた後のお楽しみは食べ放題のいちご狩り

思わず笑顔がはじけるいちご狩り。

森ライでは、「正しいことを継続的に続けていくためには楽しくなければ」という信念から、「正しいこと」と「楽しいこと」をセットに活動を行ってきました。活動を終えたあとの今回のお楽しみ企画は、昼食のお弁当を挟んで、この時期に旬を迎える人気の千葉名産のいちご狩りです。今回も小山ファームさんにお世話になりながら、最高で62個の完熟いちごを食べた猛者も出現しつつ、初春の1日は笑顔に包まれながら暮れていくのでした。参加者の皆さん、どうもお疲れさまでした!

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  • 2012年に植えたクロマツは順調に育ち、2mを超えるまでに生長していました。

  • 現場近くに集合し、長靴、スコップ、掛け矢等の道具類を配布。

  • 「今日も頑張るぞ〜!」でお約束の「エイエイオー!」。

  • 本日作業を行う地点はまだご覧の通りの更地です。

  • この格好が腰に来るんデス。

  • 今回もたくさんの家族連れの方々に参加していただきました。

  • 更地だったエリアは午前中のうちに2,500本の苗で埋め尽くされていきました。

  • ホテル浪川荘で昼食。

  • ハウス内でいちご狩り。

  • 甘くてちょっぴり酸っぱい旬の味覚を堪能。

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Voice
─参加者の声─
  • 西嶋さん親子
    社内でボランティア参加者を募集する活動をしていて、ここでの活動も2012年から15回くらいは参加しています。震災に対して何かできることを探していたのが最初のきっかけでしたが、今は、これだけ植えてきたので、使命感みたいなものも生まれてきました。今日の目標は2,500本ですが、それをすべて植えたあとに景色が変わって、やり遂げたという実感がまたいいんですよね。それと、海岸林のあるほかの海岸に行ったときなど、ここも将来あんなふうになるのかなとか、景色を見る目も変わってきた気がします。子どもが3人いますが、もう参加できる年頃になっただろうということから、今回は初めて一番上の娘を連れてきました。少しでもこの活動の意義を理解してくれたらいいのですが(笑)。
  • 海保さん
    上司から植樹の活動があるので来ないかと声をかけられ、私はここの近くで育った地元の人間で、高校生のころからよくここの海で遊んでいましたし、防風林が茂っていたことも覚えているような馴染み深い場所ということもあって初参加です。普段、まったく運動をしていないので、かなり疲れましたが、上司からは“夏の下草刈りにも責任もって参加するためにも植林から参加するように”と言われてやって来たので、夏もぜひ来ようと思っています(笑)。
  • 左/須々木さん、右/山口さん
    私は会社でCSRの推進をしていていることから、最初は会社で、それから以降は個人的に何回か参加しています。もともとは震災ボランティアというのがきっかけではありましたが、普段、人のためにできることというのはなかなかないので、少しでもできるところから楽しんでやれたらいいなと思っています。(須々木さん)

    須々木さんとは、長野で行われた下草刈りにも一緒に行きましたが、今回も彼女に誘われてやってきました。普段、仕事をしていると緑とか自然とかを感じないので、こうして自然の中で、震災とかのことも考えながら過ごすのはとても有意義な1日だと思います。昨年の夏にはここの草刈りもやりましたが、夏の草刈りは海の家も出て、海鮮丼が食べられるのも魅力でした(笑)。(山口さん)
  • 石川さん一家
    森ライの活動には2012年からもう10回以上は来ています。もともとのきっかけは、ラジオで募集していたここに植える苗の募金活動に賛同し、参加もできるということも知って来るようになりました。子どもと一緒に参加できるのはいいですよね。子どもが大きくなって海外とか行くときには、この辺りの上空を通るので、下を見ながら“自分が植えた松だよ”と言えるなんていいじゃないですか(笑)。あと、最初は震災がきっかけでしたけど、江ノ島水族館で詳しく解説している砂防林の仕組みを知ってからは、ここの活動の意味もより理解できましたし、これからも参加したいと思っています。
  • 猪俣潤さん
    2012年からこの活動のお手伝いをさせていただいている、この地域でライフセーバーの活動をしているサークルに所属していて、私は去年に続いて2回目の参加になります。作業は思ったより大変ですが、これからも継続してやっていきたいと思っています。ライフセービングは海の安全を守ることでお客さんがたくさん来てくれるという観光的な力にもなっていると思うのですが、そのためにも地域の人との関わりを大切にする意味合いからも、こういった活動に参加するのはいいことだと思っています。