東京の棚田で田植えツアー。お楽しみはバーベキュー♬
- 活動日
- 令和元年6月1日(土)
- 活動場所
- 東京都八王子市上川の里 特別緑地保全地区
活動レポート
3年目に入って土が馴染んできた感のある田んぼで、60名を超える参加者の方々と稲の苗植え!
今年植える苗は餅米とコシヒカリ
現在ある4枚半の田んぼのうち、1段目の半分と2段目に餅米の苗を植えていくのがこの日の目標です(1段目の残りの半分は地元の幼稚園の年長さんが植える予定です)。植え方としては、苗3本ほどを指先に取り、田んぼの泥のなかに沈めたら、苗がしっかり根付くようにクイッと指先で折り畳むようにひねって固定していきます。その際に植える場所の目印となるのが、「田植え綱」と呼ばれる24センチ間隔に印のついた綱です。これを田んぼの端から端まで渡して張り、印のついている箇所に苗を植えたら、綱を30センチほど後ろにずらしながらこれを繰り返していきます。前向きに進むと、せっかく植えたところを足で踏んづけていくことになるので、それを避けるために後ろ向きに進んでいくわけです。
森からの恵みが田んぼの恵みに直結する場所
現在私たちが田植えを行っている八王子市上川町特別緑地保全地区は、40年ちょっと前には500mほど先まで稲作が行われていた棚田でした。その頃、隣接する小学校の生徒は、ここの森から調達した暖房に使う薪を持参して学校に通っていたそうです。その後、燃料は薪からガスや石油に代わり、森からの恵みを活用することが少なくなり、治水技術の進展によって稲作も次第に平野部に移っていき、ここは薮のような荒れた場所になっていってしまいました。そしてそれから約40年後。この地にゴミ処理場計画が持ち上がったのを期に、住民による反対運動が起こり、2011年に特別緑地保全地区に指定されました。ちょうどその頃、市の方とお会いする機会があり、2016年から互いに協力しながらこの地の景観を取り戻そうとする活動がスタートしたというのがこれまでのおおまかな経緯です。稲作と平行して、水の恵みを取り戻すためにも森の整備を同時に行い、森からの恵みが田んぼの恵みに結びつくという意味からも、私たちの活動にとって大変貴重な場所と言えます。
少しずつ手応えを感じ始めた3年目
保水能力のある森を取り戻すために雑木の伐採を続けてきましたが、こちらもまだ3年目。すぐに田んぼに安定した水の恵みをもたらしてくれるほど森づくりは甘くはありません。それでも多少は前進している手応えを感じるのは、この場所に生き物たちが増えてきていることや、田んぼの土が柔らかく馴染んでいきているように感じることです。この日もトンボや蝶が周囲を飛び交うなか、午前中一杯、せっせと腰をかがめて田植えを行いました。この格好を続けるわけですから、昔のお百姓さんに腰の曲がった人が多かったのがよくわかります。
働いたからこそいっそう美味しいお昼のBBQ
そして、田植え開始から約1時間半後、炭を起こす匂いが漂ってきたら準備万端。お昼はバーベキューです。牛肉、豚肉、ソーセージに焼きそば、カレーもあります。ビールもあります。ドライバーの方のためのノンアルもちろんあります! 森からの美味しい空気と、身体を動かした満足感。一緒に働いた同士、初対面でも話が弾みます。こうして、今回もたくさんの方々に笑顔をいただきながら、全日程終了。みなさん、お疲れさまでした!!
Voice
─参加者の声─
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左/中富紀子さん、右/石川由梨子さん
「私の勤務先が森ライさんと一緒に社会貢献活動をさせていただいている関係から、その存在は以前から知っていました。それで、ホームページを見ていたら、うちのお墓がある霊園のすぐ近くで今回の活動があるじゃないですか。すぐに、姉を誘って初参加です。田植えは、水のなかがすごく歩きにくくて、“私、転ぶかも?”とヒヤヒヤしながらやっていましたけど(笑)、なんとか転ばずにできました」(石川さん)
「一度もやったことのない田植えを楽しみにやってきました。田んぼの土は硬めのところがときどきあって、苗を差し込みずらかったり、まっすぐに植えていく難しさを知りました。でも、普段ここまでの体験はなかなかできないですから、楽しかったです。私の子ども二人と、妹の子ども一人を一緒に連れてきましたけど、子どもたちにはまだちょっと早かったのかな。水に入ってすぐに“もうヤダ!”と、ついに1本も植えませんでした(笑)」(中富さん)