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2021/3/13 Updated

コロナに負けるな、ちびっ子たち。ツリークライミングして遊ぼうぜ!

活動日
令和2(2020)年9月12日(土)、13日(日)
活動場所
八王子市長池公園「長池見附橋」付近の芝生(テント設営しています)

活動レポート

久々に森に入って木々の息吹を感じながら、ロープだけでスイスイ木登り体験

新型コロナの影響で今年2月に千葉県蓮沼海岸で行った植林以来、実に7か月ぶりとなる森ライの野外活動は、文部科学省補助事業として行う、子どもたちのツリークライミング体験教室です。12日は残念ながら雨天中止となりましたが、薄曇りながら、本日はなんとか天気も持ってくれそうです。
自然を愛し大切にしたいという願いを込めて

コナラやクヌギを中心に、木々にロープを掛けて下準備。

森ライではこれまでも幾度かツリークライミング体験教室を行ってきましたが、この度、文部科学省補助事業の採択を受け、コロナ禍のもとで自然体験が失われているこどもたちを対象としたツリークライミング教室をスタートすることになりました。ツリークライミングとは、文字通り「木登り」のことで、もともとはアーボリスト(樹護士)と呼ばれる人たちによって樹木を管理するために開発されたアメリカ発祥の木登り技術です。それが今ではレクリエーションとしても広まり、木や森との一体感を味わうことで、自然を愛し大切にしようという願いが込められようになりました。さて、この日の現場となる長池公園の森では、午前10時のスタートを前に、先生役を務めていただくツリークライミング・ジャパンに所属するツリーマジックの方々が、早くも木々にロープを掛けて着々と準備を進めています。

コロナの時代は、まずこの作業から

公園の芝生の隅をお借りして、受付となるテントを設置。

舞台を公園の入り口付近に設置した受付に移します。三々五々集まってきた参加者の方々にまずお願いするのは、検温と体調に関するアンケートです。コロナ禍のご時世では、この作業は欠かせません。マスク姿の参加者の方々は、納得しながらこの作業に協力していただきました。

全員集合したらまずは必要な用具を装着

サドルを装着。だんだんと特別なことをする気になってきます…。

実際に森に入る前の準備としては、手袋をはめ、汗をかくのでバンダナやタオルを撒いた上からヘルメットをかぶり、最後にサドルと呼ばれる独特の形状の用具を身につけます。木に下げられたロープと登る人との接点はこのサドルだけなので、スタッフの方に手伝っていただきながらしっかりと取り付けます。

サドルがあるから空中で座ることができる

サドルは、太ももをお尻を後ろからしっかり支えてくれます。

サドルをつけた姿を後ろから見るとこんな感じです。一般的にいうハーネスだと「吊られる」感覚になるところ、ツリークライミングのサドルは、太ももの後ろから大きくあてがう部分があるため、高いところでも長時間、しかも両手を離して座っていることができるのです。

森に入る前には「もくもく体操」で準備運動

木の姿を真似て身体を動かす「もくもく体操」。

準備が整ったら、大きな木、小さな木、風に吹かれて…という具合に木になったつもりで身体を動かす「もくもく体操」でウォーミングアップ。そして、いよいよ森の中へ。ツリーマジックのスタッフの方から、木に登る方法をレクチャーしてもらいます。

ブレイクスとフットループの役割

「こうすると身体が浮いてくるよ」。説明を聞く目は真剣です。

上手に木に登っていくためには、3つあるロープの結びの名称と使い方を覚えることが必要です。まず、ブレイクス。この部分を上に押し上げていくことで登ることができ、手を離しても下に落ちないのは、この結び目が持つ強い摩擦力のおかげという実に優れものです。登るためには、フットループに入れた足の力を使います。足でグイッとロープを引き下げ、ブレイクスを上へスライド。それを繰り返していくと、あら不思議。次第に身体が宙に浮いてくるではありませんか。

安全に登るためにセーフティーを作る

左手にブレイクス、右手にセーフティー。真ん中左手寄りに下がっているのがフットループ。

ただしここで気をつけなくてはいけないのが、ブレイクスを持つ場所です。ブレイクスの上や横を持つと結び目がゆるみ、摩擦がなくなり、人はズズズと下へ滑り落ちてしまいます。降りるとき以外、ブレイクスは下から上へ。これが基本です。操作を誤って一気に滑り落ちるのを防ぐための安全装置となるのが、セーフティーと呼ばれる結び目です。3回登ったら1回セーフティーを作る。これが3つ目の結びで、大切なお約束でもあります。

両手を離せるということは、両手が使えるということ

左手はちびっ子がフットループに足を掛けて力を入れているところ。遠方ではお母さんがひと休み中。

最初は手を離すのもこわごわだったり、手の力に頼ってうまくいかなかったり、試行錯誤を繰り返していましたが、コツをつかんでからは、各自スイスイと上へ上へと登っていきます。そして、高いところで両手を離してもまったく怖くないことを確かめると、休んだり、周りの景色を眺めたり、写真を撮ったり、余裕が感じられるようになってきました。ツリークライミングは、もともと木に登って両手を使って作業をするために開発されたものなので、両手が自由になるのが特長でもあるのです。

森ライでは今後も体験会を行います

慣れればご覧の通り。小さい子も自分の力で登っていきました。

この日は、午前15人、午後20人、計35人ほどにツリークライミング体験をしていただきました。集まったときに不安そうな表情を浮かべていたちびっ子たちが、コツをつかむや得意顔で登っていき、次第に笑顔が見られるようになっていくのを見ているのは気持ちのいいものです。森ライでは、今後も八王子や代々木公園でこのようなツリークライミング体験会を開催していく予定ですので、興味を持った方はぜひご参加ください。

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  • 森に入ったら、まずは木に触れながら「よろしくお願いします」と元気にご挨拶。

  • 登れ登れ、どんどん登れ!

  • いち早く高いところまで登ったちびっ子は余裕たっぷり。

  • こちらも余裕で「イエ〜い!」。

  • 各所に用意されたツリーボートは空中の休憩所。

  • たっぷり遊んだら、スタッフの方の指導で降りてきました。

  • 午前の部の参加者全員集合!

  • 午後の部も元気一杯に全員集合!

  • 登ったみんなにはツリークライミングが成功したことを証明する認定証が授与されました。

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Voice
─参加者の声─
  • 中村さん
    「3人の子どもたちと参加して、いちばん下の子以外、私も含めてみんなツリークライミングを初めて体験しました。普通なら“高さ”があるものって危険が伴いますし、それなりの装備や道具がないと無理ですけど、すべて用意していただき、経験豊富なスタッフの方々に指導していただきながらでしたので不安もなかったですし、上から見る景色も浮遊感もすごく気持ち良かったです。それと、森の中に入るとき木に“よろしくお願いします”と挨拶したり、木に触れたり。身近だけれど、普段なかなか意識しない木の存在をあらためて再認識させられました。家に帰ってからも今日のことが話題になると思いますが、経験したふたりの子はぜったいに“またやりたい!”って言うと思いますよ(笑)」
  • S.I.さん
    「普段からキャンプをしたり、山の中に入ったり、家族全員アウトドアが好きなので、ここの公園に出ていた案内を見てすぐに応募しました。子どもたちはスイスイやっていたのに、私はコツをつかむまで全然ダメで、違うことばっかりやって、最初はいきなり体力を思いっきり消耗しました(笑)。でも、コツさえつかめば、あとはもう思った以上に簡単に登れましたし、このロープのシステムは本当によくできていますよね。両手を離しても安全なのが確認できてからは、空中ブランコに乗って揺られているような感覚とともに、純粋に木登りを楽しむことができ、いい経験ができました」