ナラ枯れの里山にアカマツの森を取り戻せ!
- 活動日
- 令和3(2021)年4月17日
- 活動場所
- 八王子市長池公園
活動レポート
マスクに合羽姿の27人の勇者が集結! そぼ降る雨のなか、長池公園でJEC連合による第1回植林活動の開催。
コロナにも負けず、雨にも負けずの作業
八王子市長池公園での里山プロジェクトのパートナーは、化学やエネルギーを中心にさまざまな産業が集うJEC連合(日本化学エネルギー産業組合連合会)の加盟企業の方々です。JEC連合さんには以前、千葉県山武市と八王子市上川町での活動にボランティアを派遣してもらったこともある顔なじみのパートナーです。今日の活動は、植林です。あいにくの雨模様のため、マスクに合羽という、窮屈な装いでの作業となりますが、致し方ありません。コロナにも雨にも負けず、頑張っていきましょう!
植林前の伐採と搬出作業
企業や団体の環境貢献活動として人気なプログラムは、昔から植林です。でも、今の日本の森林や里山では、すぐに植えられる場所は非常に少ないのが現状です。戦後に植えた苗木が大きくなっており、今は木を伐る時代になっているのです。ここ長池公園は、アカマツ林からコナラ林への遷移の進行し、太くて大きいコナラが育っていました。しかし、ナラ枯れ病に罹患した木々が目立つようになり、木々の更新時期となったのです。 そこで、JEC連合は、植林する場所の確保から活動をはじめました。植林活動から遡ること約2ヶ月。2月の下旬からナラ枯れ病の木々を伐採して、里山から運び出しも行いました。植林はご褒美なのです。
目印棒の隣を掘ることからスタート
ご褒美の作業としては、まず、あらかじめ差しておいた赤い印をつけた割り箸の横に、苗の根がしっかり入るくらいの穴を掘ります。この割り箸は目印棒といって、植える位置を知らせるものであるとともに、夏に苗を取り囲んで苗から太陽の恵みを奪う雑草を刈る「下草刈り」のときに、「苗はここだよー」と、植えた場所をわかりやすくするための目印も兼ねるものです。
アカマツを植えて元の原風景へ
この里山再生プロジェクトで植える樹種は、アカマツです。長池公園のある里山は、その昔にはアカマツの木々が広がっていたとのことで、「その原風景を取り戻したい!!!」という、公園管理者の熱い想いに応えていくものです。
苗を植えたら、活着をよくするためにひと工夫
掘った穴には根を広げて苗を入れ、土を戻していきます。その際、戻す土にはなるべく落ち葉などを入れないようにし、さらに、植えた苗の周囲を足でしっかりと踏み固めていくことが重要です。しっかり踏むことで、根が土壌としっかり密着し、大地からの水分や養分を摂取しやすくなり、元気は木々が育ちやすくなるのです。細かなことですが、非常に大切なひと手間なのです。
雨の日は、絶好の植林日和。でも大変。
雨の中での作業は大変でしたが、じつは、この日のような天気は「絶好の植林日和」でもあります。苗が順調に育つためには根の乾燥が大敵です。植えた苗が土壌に活着するには、最初の水分が大切なのです。また、今回植林をした場所のように落ち葉に覆われていれば、苗を植える土に混ざるのは避けたい落ち葉でも、雨の水分を蓄えて、しばらく苗の周囲を乾燥から防いでくれる役割も担ってくれます。掘っては植え、踏みつけては掘って植えること約2時間弱。今回予定していた200本の苗が植え終わりました。皆さん、お疲れさまでした。
Voice
─参加者の声─
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Sさん
「趣味でガーデニングをやっていることもあって、大規模なところで行う植林活動というのは面白そうそうだと思い、声掛けに手を挙げました。実際に作業をしてみて感じたのは、単に掘って植えて埋めてだけであとは勝手に育っていくのではなく、そのあとも人の手でフォローしていかなくてはならないという話を聞いて、お世話をしなければならない弱さと、何としても生きて行こうとする強さと、植物に触れるのは楽しいと思いました。自然の生命感というか、小さな虫がサッと飛んでいったり、周りの草も雑草と呼ばれていてもちゃんと名前があるんだろうなとか、いろいろと考えさせられながらいい汗がかけました」