11/20.21デイキャンプ IN 代々木公園
- 活動日
- 令和3(2021)年11月20日(土)、21日(日)
- 活動場所
- 代々木公園
活動レポート
テント張りに火おこし、ツリークライミングも!
初めての体験が盛りだくさんのデイキャンプ
2チームに分かれて、さっそくスタート
朝9時30分、受付に次々と参加者たちが集まり始めます。検温と体調チェックを済ませると、子どもたちはさっそく、見本として張られたテントめがけてダッシュ! 中にもぐり込んだり、周りを駆け回ったりと楽しそうです。この日の参加者は10家族30名。募集人数を大きく上回ったため、急遽2チームに分かれてプログラムを実施することになりました。開会式の後、ツリークライミングチームは西門近くの雑木林へ移動、テント張りチームはその場で準備に取りかかります。
家族で協力しながらのテント張り
テント張りを指導してくださるのは、日本ブッシュクラフト協会の川村さん。指導といっても手取り足取りではなく、場所選びや張るときの注意点など基本的なことを教わったら、あとは実践あるのみ。災害時やキャンプでは誰かが手助けしてくれるとは限らないので、家族だけでできるように練習しておけば、いざというときも安心です。説明書を読んで手順を確認し、シートを広げ、ポールをつないで通し、親子で協力しながら一つ一つ組み立てていきます。手が足りないところは川村さんや森ライスタッフがお手伝い。小さな子どもたちも機敏に動いて活躍していました。かたい地面にペグを打つ作業はちょっと苦戦していましたが、交代しながら根気よくコツコツ。30分ほどで4つのテントが無事に完成! 川村さんから手渡されたランタンを灯し、短い時間ではありましたが、テントの中でくつろいでキャンプ気分を味わいました。
災害時に活躍する「かまどベンチ」
テントを片づけたあとは、パノラマ広場の一角にあるベンチの前へと移動します。ツリークライミングを終えたチームもここで合流しました。一見どこにでもありそうなベンチですが、これは、座面をはずすとかまどとして使える「かまどベンチ」。災害時にはここで火をおこし、炊き出しなどが行われます。通常は代々木公園内で火を使うことはできませんが、今回は特別に許可をもらい、かまどベンチでお昼ご飯を作ります。まずは自分たちで火をおこすことから始めましょう!
初めての火おこし体験
火をおこす道具といえばマッチやライターが思い浮かびますが、災害時には水濡れなどで使えなくなるケースも。そこで今回は、水に強く何度も使えるメタルマッチを使った火おこしの練習をします。教えてくださるのは、引き続き川村さんです。まずはメタルマッチをこすり合わせて火花を出す練習から。子どもたちはすぐにコツをつかんだようで、「やった!」「ついた!」という歓声が上がりました。大人も興味津々の表情で挑戦。全員できたところで、次は焚き付けに火花を移して火をつけます。今回は麻ひもをほぐしたものを使いましたが、ティッシュペーパーや化粧用コットンを細く裂いたものも使えるそう。火花がうまく焚き付けに落ちると、小さな炎が上がります。こちらも10分もかからずに、「できた!」といううれしそうな声が聞こえてきました。
全員大成功!
火おこし練習の最後は、木の表面をナイフで削って燃えやすくしたフェザースティックに火をつけ、かまどに火を入れます。そろそろ「お腹すいた」という声も上がり始めましたが、これをクリアしないとお昼ご飯が作れません。フェザースティックに麻ひもをのせ、その上でメタルマッチをすって火をつけます。風で火が消えてしまうので苦戦していましたが、家族で協力しながら何度もチャレンジして、全員無事に成功。自分でおこした火を松明のように掲げる子どもたちは、とてもうれしそう。そして、どこか誇らしげな表情に見えました。じつは今回のプログラムで「楽しかった」という声がいちばん多かったのが、この火おこし。火を扱うのは危険を伴いますが、体を温め、食べ物を作るためになくてはならないものです。生きるために欠かせない火を自分の手で作った経験は、大人にとっても子どもにとっても、大きな自信につながったのではないでしょうか。
牛乳パックでホットドッグ作り
先ほどのかまどベンチに火を入れて、お昼ご飯の準備が始まります。メニューは牛乳パックで作るホットドッグ。パンにキャベツやソーセージなどの具をはさんで、アルミホイルで包み、牛乳パックにイン。そのまま火の上にのせれば、ほかほかあたたかいホットドッグができ上がります。内側がコーティングされた牛乳パックは、普通の紙よりもゆっくりと燃えるため、中までしっかり熱を通すことができるそう。燃料がなくても作れるので、防災食としても役立ちます。パックが燃え尽きたら取り出して、ケチャップとマスタードをかけてパクリ。朝からたっぷり動いたあとのお昼は格別です。一人2個のホットドッグが、またたく間にお腹におさまりました。
立派な大木でツリークライミング
再びチームごとに分かれ、急ぎ足で3つ目のプログラムに向かいます。午前中にテント張りを終えたチームは、西門近くの雑木林に移動してツリークライミング。代々木公園には、自然の森のように多種多様な木々が植えられていますが、このエリアは高さが20メートル近くありそうな大木が立ち並びます。指導してくださるのは、ツリークライミング・ジャパンに所属するツリーマジックのみなさん。まずは登らせてもらう木をじっくりと観察しました。ゴツゴツした肌のクスノキに、つるんとした感触のケヤキ。幹の太さや枝の広がり方など、それぞれに個性があることがわかります。ツリークライミング用のハーネスやヘルメットをつけたら、準備運動の「もくもく体操」。木が成長する様子を真似しながら、腕を広げ、背伸びをして、ケガをしないように体をあたためます。動きが楽しいのか、ちびっ子たちは声を上げて大はしゃぎでした。
ロープの使い方を覚えて、木登り開始!
登る前に、クライミングで最も肝心なロープの扱い方を教わります。体を引き上げる「ブレイクス」という結び目の持ち方、「フットループ」への体重のかけ方、滑り落ちないための「ストッパー」という結び目の作り方、これらをきちんと頭に入れておけば、初心者でも安全にツリークライミングができます。もちろん、実際に登るときは、ツリーマジックの方たちが一人一人を見守っていてくれます。登る木と場所を決めたら、枝に吊るされたロープにハーネスをつけて、いよいよスタート。前回開催された代々木公園でのツリークライミングに参加した親子も多く、怖がることなくロープを操り始めます。大人は体を持ち上げるのに少し苦労しますが、身軽な子どもたちはするすると上まで登っていきます。
楽しい空中散歩で、全プログラムが終了
木の上のほうまで行くと、葉ずれの音がすぐ近くに聴こえ、心地よい風を感じます。ツリークライミングは手足が自由に動かせるので、幹に抱きついたり、太い枝に腰かけたりと、いつもは下から見上げるだけの木をより身近に感じることができます。たっぷり楽しんだあとは、一人ずつ降ろしてもらって全プログラムが終了。テントの場所まで戻って閉会式を行う頃には、もう日が西に傾いていました。朝から盛りだくさんの内容でしたが、くたびれた様子もなく、まだまだ元気いっぱいにかけ回って遊ぶ子どもたち。思うように外出できず、窮屈な日々が長く続いていましたが、自然の中で子どもはあっという間に笑顔を取り戻せるんだなあぁ〜と、うれしく思った一日でした
Voice
─参加者の声─
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鈴木聡子さん・彩衣ちゃん・芽衣ちゃん
「前回の代々木公園でのツリークライミングにも参加して、今日は2回目です。子どもたちがとても楽しそうにしていたので、デイキャンプも行ってみようかな、と参加を決めました(聡子さん)」
「全部楽しかったけど、火をおこしてホットドッグを作ったのが一番楽しかった! またやってみたいです。(彩衣ちゃん)」