この夏、最後の下草刈りの後は、海野宿の歴史をお散歩ツアー
- 活動日
- 2015年9月5日(土)
- 活動場所
- 長野県東御市田之尻地区 どんぐりの森
活動レポート
苗をツルの束縛から救う、ツル切り大作戦を敢行!
5年目を迎えた、どんぐりの森づくり

「どんぐりの森」まで田園風景の中をてくてく。
2011年5月からスタートした「どんぐりの森 里山再生プロジェクト」も5年目を迎えました。2010年5月に起こった山火事で焼失した約4haの森を、春には花が咲き、秋には紅葉やどんぐり拾いが楽しめる、生物多様性の豊かな森に再生したい!という地域住民の願いから始まったこのプロジェクト。コスモ石油エコカード基金のご支援を受け、コナラやクヌギ、ヤマザクラ、ヤマボウシ、イロハモミジなどの広葉樹を3年間にわたり植樹してきました。昨年からは、植えた苗が順調に育っていくように下草刈りを行っています。
今回のミッションはツル切り
2011年に植えたコナラなどは、大人の身長をはるかに超える高さにまで生長しています。田之尻公民館に向かう県道166号線を走るバスの窓からも、大きく育った木々の姿が眺められ、感慨もひとしおです。「どんぐりの森」は日当たりのいい南向きの斜面のため、植物の生育が早いようです。しかし、問題はクズやヤブカラシ、カナムグラなどのツル性の植物の繁茂が著しいこと。そこいら中にツルを伸ばし、苗にしっかりと絡みついています。苗の幹や枝を強く拘束するので生育の妨げになり、苗を覆い隠して光が当たらなくなるので、苗が枯れてしまうこともあります。ツルから苗を救うのが今回のミッションです。
がっちり絡みつくツルとの闘い
田之尻公民館に到着すると、田之尻地域里山整備推進委員会の新しい会長さんになられた井出さんが出迎えてくれ、地域の方たちとともにどんぐりの森へ向かいます。鹿曲川にかかる橋を渡り、どんぐりの森まで林道を登っていきます。作業に入る前のいい準備運動です。現場に着いたら、各自、剪定はさみを持って苗のツル切りに取り掛かります。1本の苗に何本ものツルが絡みつき、どこから手を付けたらいいのか、わからないほど。気を取り直し、苗の根元を探ってツルを剪定はさみで切り、1本ずつ幹から外していきます。力まかせに引きちぎると、苗木の枝まで引きちぎってしまいそうなので、ていねいに外していきます。根気のいる作業です。いちばん多いツル性植物はクズでした。濃いピンク色の花を咲かせ、甘い匂いを漂わせて、根はクズ餅の原料にもなりますが、ここでは苗の大敵です。
秋の気配を感じながら作業を終了

手分けして苗に絡みついているツルを外します。
日差しは強いものの風はひんやり秋風。赤トンボがあたりを飛び回り、葉っぱの影からは小さなアマガエルやバッタが飛び出してきます。今回は、蝶々はあまり見かけませんでした。休憩をはさみながら2時間強の作業を無事終えて公民館に戻ると井出会長から、みんなに地元名産のお焼きの差し入れが。地元の皆さんに別れを告げて、布引温泉「御牧乃湯」へ向かいました。 お昼は、昨年も好評だった、地元産の野菜を使った郷土料理のお膳。いろんなおかずをちょっとずつ味わえるのが好評。おいしくいただきました。そして、温泉で汗を流したら、「日本の道百選」や「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されている北国街道「海野宿」へ向かいます。森ライ初の歴史名所散策です。
美しい町並みを歴史散歩
海野宿の駐車場では、地元のガイドさんが待っていてくれました。ガイドさんの説明を聞きながら海野宿を散策しました。北国街道は、追分宿で中山道と分かれ、善光寺を経て直江津で北陸道に合流する街道です。江戸時代は、加賀藩など多くの北陸の大名たちが参勤交代のため行き来し、海野宿は宿場町として大いに栄えました。明治になって参勤交代がなくなってからは、養蚕を産業として起こし栄えたといいます。道沿いの家々は宿場だった頃のなごりのせり出した造りの二階や火事の際の延焼を防ぐ「うだつ」という防火壁が残っています。1時間ほどかけて散策し、最後は樹齢700年の大ケヤキがある白鳥神社へ。ここは戦国武将の真田家の氏神でもあるそうです。森づくりをしている地域の歴史に触れるのも、いいですね。