活動一覧

ANNOUNCEMENT & REPORTS

REPORTS

活動レポート

写真

2018/6/19 Updated

カヤの平高原牧場 ブナの森づくり 生育状況視察

活動日
2018年6月13日(水)
活動場所
長野県下高井郡木島村 カヤの平高原

活動レポート

ブナの森づくりプロジェクト5年間の成績評価。

冬季閉鎖中だった林道が開通したばかりのカヤの平高原に、長野県のブナ博士・小山さん、木島平村役場の武田さんと一緒にブナ植栽地の現状視察に行ってきました。カヤの平高原は冬になると数メートルもの雪に覆われます。移植したブナの稚樹にとって雪の重さに負けずに冬を越せるかどうかが大きな試練です。
長い冬を越してブナたちは元気に生育中。

昨年、移植したブナは元気に若葉を広げていました。

昨年は6月と9月の2回にわたって森づくり活動を実施しました。みんなが掘り採って、未利用牧草地に移植したブナの稚樹。雪の重さで折れてしまっていないかを確認し、生育状態をチェックしました。結果は、すこぶる良好!昨年、植えたブナは折れたり、枯れたりしたものはなく元気に若葉を広げていました。ブナは他の植物より先に葉を開き、初夏の光を一身に浴びてこの時期に一気に一年分生育します。周囲の雑草が伸びてくる頃には一年分の栄養をため込み、あとはじっくり伸びてきた雑草の影で次の冬に備えて冬芽の準備に入ります。スギやヒノキのように植樹後の下草刈り作業が不要なのがこのプロジェクトのいいところです。

着実に、牧草地がブナの森に姿を変えようとしている。

人の背丈くらいまで生長したブナが目立ってきました。

ブナの森づくりプロジェクトの第1回は、2013年の6月29日・30日。それから丸5年の月日が経ちました。ブナは生育がゆっくりですが、始めの頃に植えたブナは、もう人の背丈ほどまで背が高くなったものもあります。中には雪の重さに耐えかねてぽっきり折れてしまったり、野ネズミに根を齧られて枯れたりしたものもありますが、全体としては着実にブナの森再生への道を歩んでいます。小山先生のお話では10年を過ぎるとグーンと成長し始めて森っぽく見えてくるそうです。森づくり5年目の成績を評価すると「優」とのこと。これからの活動が楽しみです。

次のステージへ向けて、木島平村も動き出す。

次の表土剥ぎ取りエリアの選定に入っています。

5年間の活動で、最初に表土を剥ぎ取ったエリアの大部分に移植を完了しました。今年は木島平村でも村の予算をとって、次のエリアの表土剥ぎ取りを計画しています。未利用牧草地のすべてにブナを移植するのではなく、部分、部分に島のようにブナを植えていき天然林に近いかたちでブナの森を再生していくのがこのプロジェクトの目標です。プロジェクト開始時は、牧草を剥ぎ取ったところに植えたブナの稚樹がしっかり活着し、育って行くかどうか不安もありましたが、元気よく育っているブナを見て安心しました。私たちの森づくりのやり方は間違っていなかったようです。

林縁部の掘り採りエリアを休ませるために小休止。

林縁部ではたくさんの実生のブナが顔を出していました。

林縁部のブナ稚樹の掘り採りエリアでは、一昨年は遅霜の被害を受けて多くの稚樹が枯れてしまいましたが、今年は数多くの稚樹を見るとこができました。ブナの実も、昨年は不作でしたが、今年は例年並みには実を付けているようです。秋になれば、苗を掘り採った穴に実が落ち、来年の春にたくさんの稚樹が若葉を広げることでしょう。 ブナの森再生の第1コーナーを曲がることができた今年は、ブナ稚樹掘り取りエリアを休ませる意味も含め、一般参加者による活動を休止し、来年から森づくりに備えます。平成時代の5年間の森づくりを一旦終了し、新しい年号になる来年から新たな気持ちでブナの森づくりに取り組みます。

画像をタップすると拡大表示します。

  • ニョロニョロみたいなギンリョウソウがお出迎え。

  • 今年はブナの実の付きは悪くないようです。

  • 秘密の入り口を抜けてブナの稚樹掘り採りエリアへ!

  • 小山先生が林縁部の実生のブナを調査中。

  • 次のブナの森づくり候補エリア。

  • 昨年の移植場所。ライン状にブナが顔を出しています。

  • 頼本さんが昨年植えたブナ、元気に生育中。

  • 生育状況を調査しています。

  • 指で示している部分が今年の春に生育したところ。

  • こちらは仁志田夫妻が昨年植えたブナ。

  • 5年前の植栽エリアではブナが大分目立つようになりました。

  • 野ネズミが冬の間、移動用に雪と土の間に掘ったトンネル。

画像をタップすると拡大表示します。

マウスポインタを画像に合せるとキャプションを表示します。画像をクリックすると拡大表示します。